街を散策していて、アリシアとアテナの凄さを目の当たりにして感動を新たにする三人娘だったが、しかし藍華は複雑な思いを禁じ得ない――操船術に優れたアリシア、天上の歌声を備えたアテナ、しかし晃が他の二人に対して優位に立てるものはあるのか。そして、操船術の才能豊かなアリスと、世界でさえも味方につけてしまいそうな人間性の持ち主である灯里に対して、藍華が優位に立てることは何だろう……? 寮に戻り、晃の大掃除を手伝っていた藍華は、晃が先輩三人組のなかでいちばん出世が遅かったことを知って、更にショックを受ける……
内容は兎も角、いつも思うんだが、見習い三人全員で社長連れ歩いていいのか。いちおう社長だろ。少しは会社に置いておけよ。名物プリマに侍らせておけよ。
まあそれはさておいて本編。前回で力を使いすぎたのか、ちょっと作画・演出ともに雑。先輩三人の超絶技巧を丁寧に描いていることは評価できるのですが、前回のクオリティが高かっただけに、見せ場以外の拙さが目につきました――いや、他の作品と比べたら格段にハイクオリティであることは疑いないんですけど。
と思ったのはAパートだけでした。Bパートに入った途端、前回ほどではないにせよ恐ろしい気合の入りよう。藍華の繊細な表情と、晃の淡々とした、しかし凜とした佇まいを見事に対比させた演出、細やかな表情の変化を押さえた秀逸な作画。基本的には陽性でしっかりした藍華の闇を、晃の才能、そして過去と重ねて描く構成。きちんと物語が出所に回帰しているあたりまで絶妙です。予想通りではあるものの、あの台詞には胸を打たれました、不覚にも。
トータルの質では前回に及ばないものの、その辺の1クールテレビアニメなんか裸足で逃げ出すくらいの完成度です。まさか2話連続でこんな高品位の仕上がりを突きつけてくるとは思ってませんでした――前夜のアレとは大違いだよ!
しかし文字を見ることの出来ないテレビアニメという媒体で、“天稟”という単語を耳にするとは思わなんだ。咄嗟に考えてしまったですよ。
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