タマちゃんこと玉田透は桜中学唯一の相撲部員であり、未来の横綱志望だった。一人でずっと頑張ってきたが、仲間のいる環境が欲しいと、名門相撲部のある私立に合格するため頑張ってきた。だが、皆勤賞に固執して、熱をおして出席した雅迪を送ったとき、不運にも風邪をうつされてしまい、試験の途中で倒れてしまう。一方で坂本家では、前々から家を出る、と言い張っていた乙女が勝手に引っ越しの手続を始めてしまった。金八先生は乙女の交際相手である湯山を問い詰めようとしたが、彼にも告げずに決断していたことを知った金八先生は、ようやく親として悟り、乙女を送り出す意を固める……
基本的に生徒を中心としながら、じわじわと進めてきた坂本家の大きな変化がいよいよクライマックスへ。BGMに『贈る言葉』の旋律を用いているのが心憎い。去り際の乙女の心遣いや、洗濯物を干す金八先生の姿など、実に味わい深いです。しかし坂本家の家族の相談を受ける面子に北先生が入っていないのが何となく気の毒です――見た目としては、すっかり感情移入して泣き上戸になってしまった乾先生がおかしかったが。
どうでもいいんですが、今回のエピソード、新聞に掲載されているサブタイトルが『横綱の品格』でした……きっとあの騒動のときに思いついたエピソードなんだろうなー。関取を志す生徒を見舞った災難と、それを巡る教室での騒動を描いているのですが、ここで関取志願のタマちゃんの潔い覚悟と、稀代の名横綱・双葉山の名言を絡めて、横綱の品格を描いている。きっと言いたくて仕方なかったのでしょう。肝心のポイントである雅迪と他の生徒達との確執が、あまりにあっさり片づいてしまったのがちょっと引っ掛かりましたが、直前の演説が素晴らしかったので良し。
もひとつ評価したいのは次回予告。たぶんそろそろ美香に絡んだ波乱が起こる辺りで、本当ならそれを軸に組み立てるところでしょうが、あまり波乱の要素を窺わせず、金八先生の喝で締めて、テロップに“受験生の皆さん、頑張ってください”と記したのは実に粋です。ほんとーに今回のシリーズはいいなあ。
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