檜原姉妹の可愛がっていた猫が行方をくらました。静流は最後に目撃したとき一緒にいた異様な猫が気に懸かる。瑞生は学校で、猫は死ぬとき姿を隠すものだという話を聞いて落ちこむが……
今回は終始猫尽くしの話。死んだあと猫は何処へ行くのか、時折行方をくらますのは何故なのか、などに絡んで生まれた説話を盛り込んで、例によって異界との距離感を綴っている。
話そのものは大筋で悪くないのですが、やっぱり妙に感じてしまうのが二人の祖母の位置づけです。もともと原作では死んでいるはずなのをわざわざ生きていることにした理由が不明なのですが、それならそれで連れ添う男があの祖父なのですから、怪異や風俗に対してそれなりの距離感を保っているはずなのに、どうもはっきりしない。同じ家にいるのに猫の不在について二人から聞かされるまで気づかないというのも不自然ですが、あの夫がいるのにあんな屈託なく“おまじない”を教えるというのはやはり変でしょう。あの人が夫なら、おまじないが“呪い”の一種であることは知っているはずですから。二人におまじないについて語っているときの祖父の反応がもう少し繊細であれば良かったのですが、ここも雑で腑に落ちませんでした。
演出面でも、意味のないところで立ち上がったり、檜原姉妹の反応があまりに幼稚だったりするあたりに引っかかりを覚えたのですが、しかし祖母の不自然さに比べればまだまし。作画は比較的安定していたので、その辺での不満はありませんでした。
……いや、欠点も美点も毎回似たような指摘になってしまうんだから、基本的に安定はしているのか、これ?
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