平日ですが、色々思うところあって、夕方から映画鑑賞に赴いておりました。数日前からあれこれ調べてみて、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて間隔が５分という理想的なスケジュールを組むことが可能だったために、敢えて２本立て。雨が降っていなければ西新井でも良かったのですが、しかしあちらでここまで理想的なスケジュールが組めたかどうか。
１本目は、アメリカ産の同題ゲームをもとに作りあげたスタイリッシュ・アクション『ヒットマン』(20世紀フォックス・配給)。大筋は予告編などから想像していた通りでしたが、映像の美しさとアクションの重量感、そして意外なくらい主人公たる暗殺者の行動に説得力があり、計算ずくの行動がそのまま牽引力に繋がっていて、かなり見応えのある作品でした。もーちょっと緊迫感が演出できていれば良かったのですが、如何せんゲームのプレイヤーキャラ、しかも超人的な暗殺者という設定ですから、そう簡単に比肩しうる敵役が登場させられるわけもないので、別の見せ方を工夫しているだけでも充分優秀です。最近飢えていたタイプのアクション映画だっただけに、私は満足。
幸いなことにスクリーンの配置もすぐ隣だったため、上着を着ることもなく荷物を抱えてそのまんま移動し鑑賞した２本目は、“ジェイソン・ボーン”シリーズの脚本で評価を集めたトニー・ギルロイが脚本・初監督を手懸け、アカデミー賞最多７部門ノミネート、ティルダ・スウィントンに助演女優賞を齎した話題のスリラー『フィクサー』(MOVIE-EYE・配給)。意識的に虚構じみていた先の作品と比べると、こちらはとことんリアル――リアルに加えて人間関係も事実関係も入り組んでいるので把握するのが大変です。漫然と観ているとたぶん何が起きているのか解りません。スリラーと言いながら、派手なドンパチや暴力描写はなく、ひたすら会話と複雑な人間関係で魅せていく。そしてそれらが出揃った終盤30分が実に圧巻です。最後、もっと込み入った駆け引きがあるかと思っていたら、私が予想していたよりシンプルだったのにちょっと拍子抜けしましたが、しかし全体的には凄い仕上がり。なるほど絶賛されるのも頷ける作品でした。
ちなみにカタカナ５文字が並んだのは単なる偶然です。ほんとに、早めに観たい作品を並べて、それらの時間割を比較していった結果、たまたま見つけただけなのですよ。あんまり間隔が空いたりしたら、１本で済ませるつもりだったのですから。いやホントですってば。
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