『キミ犯人じゃないよね?』第3話 麗しきダイイングメッセージの彼女

 学校で発生した、教師殺人事件。またしても関係者の奈々先生に一目惚れした宇田川警部補は、例によってさくらを時給5倍で引っ張り出した。さくらは年齢的に無理のあるブレザー姿で学校に潜入、無理を自覚しつつも着実に情報を集めていく。生徒ふたりと教頭を怪しむが、決定的な手懸かりは掴めない……果たして、死者が手を使って示したダイイングメッセージの意味とは?

 ……うん、やっぱり『パズル』よりこっちのほうが面白い。ちゃんとキャラクターの個性や立ち位置が活きているし、不自然や無理を自覚して、それをコメディとして活用するセンスが確かに感じられる。今日日の学校に部外者が簡単に潜入できるか、という疑問はありますが、潜入して調査をする、という趣旨は間違っていないし、その状況そのものをギャグにもして物語のなかで有効利用もしている。

 前回・前々回は言ってみれば同じパターンで展開していましたが、今回は若干ながらひねりを加えているのも出色。無理に第二の殺人を犯させず、犯人らしき人物を入り乱れさせているので、終盤まで興味を逸らしません。

 ただ、この解決篇どおりだとすると、さすがに鑑識がある可能性に気づかないのは間抜けすぎる――『ケータイ刑事』から続けて登場の金剛地武志が担当しているからそんなもんだろ、というのは抜きにしても、不自然すぎる。また、ダイイングメッセージの謎にしても、何らかのヒントや伏線を用意すべきだったでしょう。まんますぎてばれやすい、という点を差し引いても、工夫が必要でした。

 しかしそれでも、尺のなかでうまく話を組み立てるセンス、ギャグとして完成された作り、更にはトリックの不足を補うドラマ性の構築に至るまで、『パズル』よりもずっと洗練されている。それ故に全体に小粒な印象はあるのですが、少なくとも『パズル』より来週を楽しみに感じられる分、優秀です。……んとに、なんでこの2作を同じ日に放送してるんだか。

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