宇田川警部補は、このあいだ月の土地を購入したことが縁で、UFOの日制定記念なる怪しげなイベントに招かれる。だが、現在のオーナー・矢作が行方をくらまし、近くにある埠頭で彼の眼鏡と双眼鏡、そしてミステリー・サークルが発見された。イベントの催されたテーマパークでコンパニオンのバイトをしていたさくらは例によって事件に関与し、副園長のまどかに疑いの目を向ける……
……しつこいようですが、『パズル』と比べてずっとずーっと楽しいです。やっぱり今回も事件への関与の仕方にひねりを加え、かつこれまでの前提を踏まえたりひっくり返したりして笑いを取る。これまでの善人ぶったゲストとは一線を画す片瀬那奈に、罵られ蒼白になってはすぐにまた惚れ直す要潤の呼吸がまたいい。そのうえで事件の展開も定型を外して観る側を幻惑し、きちんと着地させる手管も見事です。
正直に言えば、あまりにあちこち非現実的な要素がありますし、事件の推移にしても雑すぎる傾向がある。しかし、もともとコメディとしての方向性をきちんと完成させており、その枠には収めてきているから、失望するということはない――ていうかここで失望するような人はもうとっくに切っているでしょう。面白がってくれる人にはちゃんと応えてくれる、そのサービス精神がとても快い。
『パズル』はもはや惰性で、万に一つに賭けて観続けている状態ですが、こちらはもうすっかり安心して観ています。来週も楽しみ。
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