『てるてるあした』#10

 照代(黒川智花)は遂に、やす子(福田麻由子)の正体が母・慶子(荻野目慶子)の幼い頃の記憶であったと知る。そうしてやっと、久代(草笛光子)はやす子=慶子との本当の関係を照代に打ち明ける。だが、照代を更に驚かせたのは、久代の「もう余命幾許もない」という告白であった。“鬼婆”と胸中で呼んでいた久代の思いがけない“弱さ”の告白に、理不尽な憤りを覚えた照代だったが、往く久代のために何が出来るのか、本気で考えはじめる……

 前回の終盤から泣き所だらけだよー。いきなり放り出されることに対してではなく久代の告白にちらつく“弱さ”に憤る照代、久代亡き後に備え自分たちの居所を守るために動きはじめる笹乃館の仲間たち。微笑ましさのなかにも思わず涙ぐんでしまうような描写が盛り沢山。ここまで佐々良という世界観のなかで照代やサヤを成長させ、久代たちの個性を磨き上げ、丹念に描写を積み上げてきたからこそ出来る良質のドラマが展開しております。

 当たり前のようでいてこれが出来ていない作品が多いのはこの前の時間の作品と比べても明らか。それでも終盤の“勢揃い”のひと幕はさすがに嘘くさいのでは、と危惧したのですが、ここまで積み上げてしまえば多少のことで揺るがないのは先週や、今回序盤の速水もこみち登場*1でも明瞭。

 ラストでようやくあの人が登場し、次週ついに完結。今から楽しみだー!

*1:ほぼ同じスタッフによる前作『雨と夢のあとに』という作品と絡めたお遊びとしての出演だった模様。

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