鮎川と男子生徒三人組が新たに赴いたのは、孤島に建てられたホテル。例によって桜葉女学院の三人組に、賞品付きのクイズ企画があると持ちかけられたのを鮎川が嗅ぎつけたのだが、この孤島は十年前に強盗犯たちが逃げ込んで、警察の大捜索にも拘わらず発見されず迷宮入りとなった経緯があった。他の腹に一物ありそうな宿泊者たちが集ったなか、まるで孤島に潜伏していた強盗犯たちからのメッセージを思わせるメモが残され、そして間もなく殺人事件が発生する……
相変わらず劣化『TRICK』、ですが今回は事件の推移にまだしも不自然さがないので多少は観られる出来でした。無茶があるなりに筋は通っているし。ミステリの仕掛けとしては実に安易で、最初の事件の段階でほぼ真相が見抜けてしまうのですが、１時間でやるにはこの程度が限度でしょう。
しかし結末の捕物も安易すぎますし、シリーズのお約束を単純になぞりすぎた締め括りもいまいち魅力に乏しい。ほんとに、同日放送している『キミ犯人じゃないよね？』のシンプルながら巧みなアレンジの技を見習って欲しいものです。石原さとみのコメディエンヌとしての魅力はどんどん引き出されている分、話の単純さや登場人物をまるで活かし切れていない作りが勿体なくて仕方ないのでした――基本、憎まれ役なので気づかれませんが、女子高生三人組の扱いの悪さは考えるほどに泣けてきます。エピローグ、いたこと自体無視されてたもんなあ……
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