『薬師寺涼子の怪奇事件簿』ファイル06 メイドin霞ヶ関

 涼子に仕えるメイドふたり、マリアンヌとリュシエンヌが来日した。涼子に従う形で出迎えに行った帰りの地下鉄で、泉田は拳銃を持った男が謎の影に襲撃されるさまを目撃する。同じ頃、霞ヶ関界隈の省庁で幽霊の目撃談が相次いでおり、涼子は両者の符合に注目した。かくて、メイドでありながら涼子の優れた密偵でもある美少女ふたりが、霞ヶ関を暗躍する……

 ようやくメイドふたりが登場。その可憐さと特殊能力とを見せることに特化した話作りは堅実で良し――ただ、30分の尺にこのスペクタクルはちょっと大きすぎた気がします。伏線の張り方が雑で前半は構成がバラバラ、後半はまとまっていたものの、折角の原作準拠な官僚いぢめとか巨大生物のモチーフとかが充分に掘り下げられてませんでした。あの化物の発生源も謎なら、もっと遊べそうな要素がほとんど投げ出されているのがどーも。

 そしてもっと不満なのが、詰め込みすぎたあまりに泉田の存在意義がほとんど失われ、メイドふたりの能力もただ羅列しただけという感じで、いまいち強みを示すことができなかったこと。今のところアニメ版は怪奇事件の要素が弱めだったので、そこを補強したのは評価したいのですが、この程度の掘り下げしかできないならもうちょっと主要キャラの見せ場を作って存在感を強調すべきだったでしょう。泉田の、後半における唯一の見せ場だって、台詞回しや舞台設定を工夫していれば短くてももっと気の利いたものになったはず。

 それにしてもプールでの撮し方はほとんどセクハラだったな。

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