『地獄少女 三鼎』第一話 奪われた少女

 現世のあちこちに散っていた三藁たちのもとにきくりと、あいが現れる。地獄に去ったはずのあいは、何故いま戻ったのか? 疑問に思いながらも三人は教師として、とある学校に潜入する。そこには生徒が悪い素行に及ぶたびに「内申書に書く」と言ってメモ帳に書き付ける丹下という教師がおり、逸子という少女が彼に対して敵意を抱いていた。友人の御景ゆずきは不安を抱きながらも、丹下を陥れようとする逸子の計画に巻き込まれるのだが……

 ……三藁、とは書いたが今回からどうも藁人形役は持ち回りじゃなくて山童が担当するっぽいので別の表現にしたほうがいいのか?

 初回だからなのか、閻魔あい復活のくだりに尺を割きすぎて、恨み部分の描き込みは浅いのですが、しかし大枠の流れはけっこう良かった。むしろ私は『地獄少女』ってはじめからこういうテーマを扱うべきじゃなかったのか、と思っていたぐらいです。下手に掘り下げなかった分だけ、この辺については大きな矛盾も生じていないので、特に文句をつけることもない。一方的な思い込みで復讐を果たした結果の虚しさ、という筋書きは、間違いなくこういうシチュエーションでもっと早く描くべきだった要素だと思います。それやるのに二期を費やしたのか……?

 そして、これはまあ初回だから当然ですが、非常に絵の完成度が高い。少しいじりすぎてけばけばしさが際立ってますが、キーヴィジュアルの完成度の高さを存分に活かしている。イメージが先行しすぎている嫌いはあるものの、とりあえずこのくらい派手でもいい。

 ……が、地獄送りのパートになって思わず仰け反りました。二期の終盤ではあんまりやってなかったストレスなのか、ちょっと無茶苦茶すぎです。上記の真っ当な流れを阻害しかねないほどのインパクトで、たぶんやりたかったんだろうなーと理解しつつもさすがに呆れました。我慢しない競べか?!

 断片的な情報からそうなのかなー、と思っていたのがちょっと当たっていたようで、どうやら今シリーズは舞台をひとつの学校に絞って進めるようです。前シリーズまでとは方向性の異なる伏線の張り方をしているようだし、ちょっとだけ期待してみましょうか。……いやまあ、もう二期分付き合って、もうだいたい覚悟は固まってるので、最後まで観るつもりですが。

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