フランス映画祭2009『華麗なるアリバイ(仮)』パスカル・ボニゼール監督&アンヌ・コンシニによるトークショーつき上映。

 1日おいて、フランス映画祭2009上映作品をもう1本鑑賞してきました。晴れた日曜日ならではの人出にちょっと辟易しつつ、一昨日と同じく六本木へ。

 前回は構成とか移動の都合もあったのでしょう、上映前にトークイベントが催されましたが、今回は作品が先です。アガサ・クリスティーの長篇『ホロー荘の殺人』を、ポワロを省き、舞台を現代のフランスに置き換えて映画化した、『華麗なるアリバイ(仮)』(MOVIE-EYE・配給)。邦題に「(仮)」がついているのは、来年のアガサ・クリスティー生誕120周年に合わせて日本で公開されることは決まっているようなのですが、邦題含め詳細はまだ、ということらしいです。

 さて出来映えは、というと……おおむねコージィ・ミステリ風でいいんですけど、原作を予習してしまった目には、なまじ基本的な部分を守っているだけに、変更を施した部分に色々と引っかかりを覚えて、ちょっと冷静に判断しがたい代物でした。一件増えている殺人は、原作でも起きて不思議ではなかったところですし、最後のサスペンス部分は映画的な見せ場として必要だったと思うのですが……んー。面白いのは確かなんですが、原作の素材をもうちょっと活かせたのでは、と惜しまれます。でも、ミステリ好きなら観てもいいクオリティは保っていますので、来年上半期の公開をかる〜く楽しみにしていてください。……なんで来年なのかというと、アガサ・クリスティーの生誕120周年記念企画に組み込まれているかららしいです。

 さて、上映後のトークショーですが……詳細は省きます。何故なら、ミステリ映画だけあって、結末や犯人像に触れる話が非常に多かったから。ホラーナイトと同様、充分な尺を取ってあったうえに、司会を担当した映画評論家の梅本洋一という方が、昔パリに住んでいてフランス語が堪能で、監督とも親交があったということもあって、ホラーナイトのほうとは違った形で踏み込んだ質問が多く、なかなか興味深いイベントでした。

 上映後は近くでサイン会も行われたのですが、そちらは整理券を獲得する必要があったのを忘れていたせいで参加できず。いちおう原作本持ってきてたんだけどなー。

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