きのう、今日と立て続けに定額レンタルの最新便が2箇所から届きました。強行軍の疲れが抜けていないなか、作業しつつ……勢いまかせに一気に鑑賞してしまいました。『ほんとにあった!呪いのビデオ』は尺が短くて、こういうときの消化速度は速い。
第21便のほう、まずは『ほんとにあった!呪いのビデオ32』(BROADWAY・発売)。6月に発売されたばかり、この夏の3本連続リリース第1弾に当たります。この前の巻で仄めかしていたアレがどー決着しているのか、本気でワクワクしながら鑑賞したんですが……ひとっことも触れてませんでした。制作時期の都合で触れる余裕がなかったのか。その代わり、あるスタッフが製作委員会に加わった理由と繋がるビデオテープに関連したエピソードが中心となってます。しかしこの話……未整理のまま扱うよりは、完結したあと、関係者の位置づけが明確になってから扱うべきだった話だったような気がします。最後の顛末はちょっと危険すぎる。細かなエピソードは、いずれもまあまあの出来。個人的には“タクシー”の映像が良かった。
ここでいったん、第22便のほうへ。数字が一気に減って、『ほんとにあった!呪いのビデオ5〜呪われた学校篇〜』(BROADWAY・発売)です。この前の病院篇に続いて、シリーズでたった2回きりだった統一テーマによる巻。前巻の不出来を相当突っこまれたのか、手法がまた少し変わっている。現在のそれに近づいた一方で、学校という縛りにした意味はほとんどありません。たまたま学校が舞台でした、という感じだから多少うまくいっているように見えますが。そういう意味では比較的落ち着いた仕上がりなのですが、しかし肝心の映像そのものが、説明されてもよく解らない、という代物が多いのに、ちゃんとクローズアップするなど、視聴者に解り易くする工夫がないのがマイナス。
引き続き第22便より、『ほんとにあった!呪いのビデオSpecial』(BROADWAY・発売)。個人的ベストである『〜Special5』に繋がるシリーズの第1弾は、これまでリリースされた作品にて反響の大きかったもの、または新しい発見のあったものについて行った追跡調査を、お馴染みの「とでも 言うのだろうか」というナレーション抜きでまとめた作品。『〜1』のメインとなったブラウン管に映る女に『〜2』の観たら災いがあるという映像、そして偶然にも『〜5』に登場した映像のふたつについて追加取材を行っています。同じ映像でも掘り下げることによって新たな興味が湧く、ということを示した点でちょっとしたエポックではありますが、『〜5』の映像についての取材過程はちょっと色々問題が多すぎる。決して単純にほぐせない問題を炙り出したことで、居心地の悪い怖さを演出しようとしているのは評価できるものの、当事者や関係者への配慮が乏しすぎるのは如何なものか。実際、そういった指摘をあとで受けたのか、最近はやっていない手法なので、これもまた模索期の実験的な作品なのでしょう――それにしてもやり過ぎ。
残るは第21便のもう1本です。とっても楽しみにしていた映画作品なので、あした以降落ち着いてから、と思っていたものの、結局我慢できずに観てしまいました。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の監督の片割れダニエル・マイリックの最新作、アフガニスタンを舞台に奇妙な事件の数々を描いたSFスリラー『オブジェクティブ』(Happinet Pictures・発売)。つい最近まで某配給会社の近日公開予定作品リストに載っていたので楽しみに待っていたら、いきなりDVDリリースの情報をキャッチ、「何すんだコラ」と思いつつレンタルのリストに入れておいたのです。
出来映えのほうはというと……まあ、劇場上映なしになったのもちょっと理解できる。元相棒のエドゥアルド・サンチェスが撮った『地球外生命体捕獲』もかなりマニアの隅っこを狙った作品でしたが、こちらは更に狙っている層が狭い。アフガニスタンを舞台に幾つもの奇妙な事件が起きるのですが、それらはUFOに絡むと言われる実際の怪奇事件をモチーフにしている。その辺が理解できるとけっこう興味深い作りなのですが、そうでないとただ無茶苦茶なだけの話に見えるでしょう。映像ソフト化もせずにお蔵入りにしなかっただけ感謝するべきかも知れません。私はかなりお気に入りですが、薦める相手は相当選ばないとまずいかも――なんかそんな映画ばっかり観てるな。
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