- 『Yes!プリキュア5 Vol.13』(Marverous Entertainment Inc.)
シュークリームばかり食べた結果とても正視できない体型になりつつあるココのためにダイエット作戦を敢行する第37話、お話の勉強のためシンデレラを模写し始めたミルクがとんでもない方向に暴走する第38話、のぞみたちとの距離の取り方に悩むココの前にとうとう敵の総大将が現れる第39話、の3話収録。
とりあえず“ぽっこりおなか”がちょっとした衝撃でした。乙女向けアニメですから、言葉でしか表現されなかったものの、だからこそ妙に生々しい。そしてプリキュアの面々に役を振ったシンデレラは愉しい具合に中身が崩壊していて素敵。のぞみがシンデレラでココとナッツが王子様、まではともかく、こまちが継母でしかもダンスパーティのあの経緯はもうシンデレラである意味を為してないし! いずれも終盤の成り行きはいつも通りですが、余談として愉しい。
いよいよクライマックス間近であることを感じさせる第39話は、その分だけ1枚1枚の絵を丁寧に仕上げている印象で、話の成り行きを別にしても見応えあり。
- 『BONES―骨は語る― Season1 Vol.4』(20世紀フォックス ホーム エンターテイメント)
こちらは1話1話別々に項目を設けて感想を記すことにします。
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- 第7話『32時間の命』
かつてブース捜査官が捕まえ、間もなく死刑に処されようとしている男。だがその捜査には疑いがあると言い、死刑廃止を訴える弁護士が再調査を、あろうことかブースに対して求めてきた。話を聞いたブレナン博士もまた疑問を感じ、死刑執行を停止させるべく調査に赴く。タイムリミットは、32時間。
時間制限を設けて調査過程をスリリングに見せる手法自体はよくありますが、終盤の展開がちょっと意外。関係者がラストに味わう無慈悲な、それでいて現実的な無力感はなかなか胸に迫るものがあります。
しかしこの話、決して彼らのしたことは無為ではなかった、と説明する方法がもうひとつあるのに、そこに触れなかったのは残念。確かに徒労に見えますが、もしかしたら行方不明のまま終わっていたかも知れないふたりの死を確かめ、犯人を導き出したのですから、無意味ではなかった。
謎解きというより、ドラマとして秀逸な後味を残すエピソードでした。
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- 第8話『冷蔵庫に捨てられた少女』
ブレナン博士の師匠格であり、ドライな肉体関係にもあるマイケル・スタイアーズ教授の来訪と同時に、ブース捜査官が届けた冷蔵庫詰めの屍体。死んだ少女が通っていた病院の元事務長である女性が監禁のうえ死なせた、と見られたが、法廷で検察側証人として立つブレナン博士に対し、弁護側が招いた専門家はスタイアーズ教授であった……
こちらも謎解きというより途中はすっかり法廷ドラマ。しかし好きでこのシリーズを観ていれば解る通り、普段から相手の知識量などお構いなしに自分のペースで話をするブレナン博士ほど証人に向かない人材もいない。検察側弁護士から疎まれ、弁護側には軽んじられ、陪審員からは飽きられるのも当然です。本人にとっては訳の解らないうちに不利に追い込まれていく、というシチュエーションが実に面白い。
そして事態を打開するためにブース捜査官が提示するアイディアがまた絶妙。しばし険悪なムードを齎しながらも、結果的にはふたりのあいだにある信頼の厚さと、ブレナン博士の見えにくい人間性を顕わにした1話となってます。
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