レンタルDVD鑑賞日記その53。

 ここ数日ぐらいに鑑賞したレンタルDVDの感想をまとめてずずずと。

 未だ生徒の前に顔を見せない理事長の正体を探る第40話、芝居と小説の最後を飾る台詞を巡ってこまちとうららが悩む第41話、どちらも万事そつなくこなすが具体的な将来の夢がないことを悩むりんとかれんについて綴る第42話、の3話。

 クライマックス間近になって、とりあえず伏せっぱなしだった理事長の姿をきちんと見せ、のぞみ以外の4人の悩みを、近しい2人を対比させて描く、という構成。相変わらずナイトメアの絡み方は強引ですが、見せ場はふんだんに盛り込まれていて満足感の高い巻でした。

 12月23日、発見された50年も昔の他殺死体。調査のために削ったところ、汚染物質が撒き散らされ、一同は研究所内に隔離される羽目に。ブース捜査官やグッドマン所長らが何とかクリスマスを楽しもうとするなか、クリスマスに関心のないブレナン博士はひたすら調査を進めていく……。

BONES』の文法で描いたクリスマス・ストーリー。スクインツと呼ばれる面々の頑迷さに、それを上回るブレナン博士の頑なさをユーモラスに描きながら、最終的にクリスマスに無関心なブレナン博士が、ある人物に最高のプレゼントを齎す、という、このシリーズらしくも運命を感じさせる展開が面白い。

    • 第10話『自分を消し去った女』

 鉄器時代の遺骨が発見され沸き立つなか、ブレナン博士はハリウッドで発見された遺体の鑑定に駆り出され少々お冠。しかもこの遺体、繰り返し整形を受けているために、顔の原型が判然とせず、身元の確認が極めて難しい。豊胸に用いた異物から辛うじて特定は出来たが、己の過去を覆い隠すかのような被害者の行動に、ブレナンは憤りを覚える……

 研究所で進められる鉄器時代の遺骨の分析と、ハリウッドでの調査が微妙にシンクロしていく展開が絶妙です。ひとつ、第9話で和やかに会話していたホッジンスとグッドマン所長が、今回はやたらに不協和音を奏でているのがちょっと引っ掛かるんですが、雪解けの様が鮮やかなのでまあ許そう。あの決着の一瞬、妙に困惑した面持ちを見せるグッドマン所長がちょっとキュートです。

 それにしても、どこかしら融通の利かないところのある研究所の面々の中でも、ブレナン博士の世間知らずぶりはちょっと行きすぎ。いくらなんでも、現在施術を受けている真っ最中の女性達がいる整形美容外科の待合室で、声高に整形を批判するのはさすがにやり過ぎ。笑えましたけど。

 この巻に収録したエピソードはいずれも、謎解きよりも登場人物たちのやり取りや、調査過程と彼らの心理がリンクしていく様が見事でした。感想を書く前にちょっと内容を確認しようと再生したら、思わず最後までちゃんと見直してしまったくらい。

 日本での劇場公開時のタイトルは『PVC-1 余命85分』。そのときから気にしていたのにタイミングを逸して、というわけで先月発売されたばかりのDVDを借りて鑑賞。

 2000年、実際にあった凶悪な事件をもとに、85分ワンカットで撮影されたサスペンス。何か意外な真相が判明するわけでもなく、実のところ犯人グループが何故こんな特異な手段を用いたのかさえ解明されずに終わるので、そういうところに期待するとどうにも物足りない。でも、農村の中で淡々と、しかしビリビリとした緊張感の中で行われるやり取りの生々しさは出色。アイディアや謎解き、物語の意外性を味わうというよりも、その出来事の空気を再現することに力を注いだ、という感じの作品です。面白い、というより興味深い。

 しかしこの作品、内容よりも、日本とはあまりに違いすぎる交通手段の数々にちょっと度胆を抜かれたり。作中、舗装された道がほとんど出て来ないし、途中何故かトロッコで移動してるし、それどころか道すらない箇所もあったし……凄いなー。

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