いよいよトリッター捜査官の包囲網が狭まる中、薬の禁断症状に悩むハウス医師は、薬を調達してもらうべく診察中のカディ医師のもとに押しかけた。そこで出逢った低身長症の少女の症状に違和感を覚え、診察を買って出る。当初はハウス医師の考えすぎかと思われたが、肝障害や胆管の硬化など異様な症状が現れ、カディ医師らは五里霧中に陥る……
いよいよ佳境に近づいてきたトリッター捜査官との攻防はさておき、今回は患者のほうに目を向けて感想を記します。
前々からこのシリーズでは、障害や差別に対して非常に深い考察が見受けられましたが、今回も同様です。低身長を受け入れ真っ当に社会生活を送っていることを誇りに思っている女性に対して、敢えて揶揄するような言葉を投げかけるハウス医師の様子はいつも以上に悪意を感じさせますが、終盤、患者である娘について、ある事実が判明すると、その悪意の根っこにあるものが垣間見える。この問いかけは実に深い。前話に較べてまだ平静を保っている彼の、本質的な思慮深さを窺わせるひと幕が秀逸です。
で、トリッター捜査官との対決はこの話のラストでいよいよ重大局面を迎えるのですが……どうまとめるんだろうなあ。どきどき。……まあ、シリーズ半ばでこの段階に踏み込んでいる、ということは、翻って刑務所入りとか長期的な職場離脱という展開にならないのは解ってるんですけど。
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