『北野誠の実話怪談 おまえら行くな。』書籍&DVD発売記念トークライブatピンクビッグピッグ

 昨年、突然謹慎してしまった北野誠氏が今年に入って復帰、併せて北野氏の体験談や、番組制作の過程で怪奇スポットを訪れた際の出来事を綴ったシリーズ『おまえら行くな。』が新たに映像版も加えて復活、その発売を記念して、新宿にてイベントが開催されました。謹慎が発表されたとき、個人的にこれの新刊はもう読めないのか、と嘆いていたので、嬉しさのあまり単身鑑賞してきた次第。

 ふだんはお笑い関連のイベントが多いらしいこの会場、料金は近所のロフトプラスワンと較べるとお高めですが、通常料金でビュッフェ形式食べ放題でソフトドリンクも飲み放題というシステムのため、開演前に腹に詰め込んでおくべ、と食べまくりました。なかなか美味しかったので満足……なんですが、収容した人数に対して料理のテーブルが小さく、思ったほど種類が取れなかったのが残念。基本ポテトと唐揚げ食べてれば満足な私ですが、こーいうときぐらい色々食べたいのよ。

 19時半より開演。主役の北野誠氏に加え、シリーズ第1作から企画に携わっていた西浦和也氏も登壇。怪談のトークライブには微妙に似合わない舞台に苦笑しつつも、取材のために訪れた怪奇スポットについて、写真や動画を交えて語る、というスタイルでの2時間でした。

 如何せんこちとらマニアですし、西浦和也氏については別のイベントでもお馴染みでしたから、訪れるスポットも語られる体験談も概ね知っている。とはいえ、当事者の口から語られるとやっぱり違います――あちらは芸人なので、やはりちゃんと笑いを取る術も心得てますし。

 お馴染みの幽霊マンションとかK観光ホテルとか、色々な話が出て来ましたが、私のツボに嵌ったのはやっぱりこのくだり。前作が刊行される際、編集部の担当者、次の担当者、デスクと相次いでトラブルに見舞われて現場を離れ編集部が停止する、という事態を招き、今回映像版をリリースするに当たっては、監督された鎌倉奏川氏の小さいお子さんがロケ中だけ高熱を出し、更に編集を任せた会社の社長宅で仏壇の蝋燭が倒れ全焼する、という災厄を齎した。で西浦和也氏が「北野さんだけ無事なんですよね」と茶化したところ、北野氏いきり立って「俺だって1年近く出られなかったやないか!」……ああ、確かに。

 基本的に今回の書籍やDVDで採り上げているところの話だったようですが、ちょっと趣が違ったのは最後のくだり。これも私自身存在は耳にしていた“青い家”での話なのですが……しかしこれは私がここで書いていいのか解らないので詳細は省きます。しかし、過程はひたすら笑えたのに、いざ締め括りに来たら一気に怪談に転じるという、まさに北野氏の“芸”を感じさせるひと幕でした。

 で、これでイベント終了、というところでゲストの方が、ちょうど舞台の裏あたりにあるという楽屋に入ったとき、近くの黒い扉がこんこん、と向こう側から叩かれ、閂がかかっていたので外して開けてみたら、ただの物置だった、という話を突然持ちだして、北野氏が苦い顔をされていたのもまた一興。実際の配置を確かめたわけではないので断言は出来ませんが、私の感覚からするとその物置の裏側、ステージですからねぇ。

 終了後は、会場で書籍かDVDを購入した人を対象としたサイン&握手会。無論ちゃんと購入して、サインしていただきました――書籍のほうだけ。DVDの費用までは捻出出来なかったの……。

  1. 北野誠[著]/加藤一[編]『北野誠の実話怪談 おまえら行くな。 黄泉帰り編』(竹書房) [amazon]

 というわけでサイン入りになった最新刊です。版元が変わりましたが、ここは『「超」怖い話』でさんざん鍛えられているはずですから、きっと来年以降も出してくれることでしょう。いや出して。

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