日本のクリスティ、初映像化作品。[本格ミステリ作家クラブ10周年記念企画『美女と探偵』(4)]

 現在催されている本格ミステリ作家クラブ10周年記念企画『美女と探偵』、観てみたい作品は多々あれど、そうでなくても現在は午前十時の映画祭と大成龍祭2011で手一杯になっており、週に2本押さえるのが限界。先週土曜日からのラインナップでは、高木彬光原作の『誘拐』がなかなかの掘り出し物、という話を聞いたので、未だに興味を惹かれているのですが、今週はもともと目をつけていた作品がひとつあり、悩んだ挙句にそちらをチョイス。私にとって都合のいい夕方あたりの時間帯にかかっているのは今日だけなので、雨に怯えつつも自転車にてお出かけ致しました。

 作品は、公募になって最初の江戸川乱歩賞受賞作*1の映像化『猫は知っていた』(大映東京作品)

 ラインナップを確認したときから観てみたかった作品――なのですが、原作を読んだのがものすごい昔なので、どの程度原作通りなのかいささか曖昧。ただ、肝となるトリックや全体の流れは狂っていないはずです。2時間ドラマなどにありがちな、妙なロマンスの要素や派手な部分はさほど絡めず、堅実に組み立てられた推理劇に仕上がってい手、原作をほとんど忘れていても問題なく愉しめました。当時は日本のクリスティとも呼ばれていた仁木悦子の作品ですが、確かにこのいい意味での淡泊さと謎解きの明快さは確かにクリスティっぽい。……なんか久々に読んでみたくなったなー、仁木悦子

 帰りは小雨がぱらついていたため、大慌てで帰宅――でもDVDの返却はしてきました。この時期は油断すると雨が降ってくるので、何かのついでに返しに行かないと、本気で忘れかねないのです。

*1:最初は推理小説文壇での功績に対して表彰されていた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました