第4回したまちコメディ映画祭・映画秘宝まつり→[大成龍祭2011(17)]

 浅草、上野を会場として開催されているしたまちコメディ映画祭、今年も昨日から始まっております。思いっ切り地元なので、毎年最低でも1本は観に行こうと心に決めており、今年はかなり早いうちから映画秘宝まつりに参加するつもりでおりました。無事に前売りが購入できたので、意気揚々と会場である浅草公会堂へ……ふだん昼寝している時間帯の上映なのが若干不安でしたが。

 今年の上映作品は、『ホット・ファズ』などのシナリオを手懸けたサイモン・ペッグニック・フロストのコンビが脚本&主演を務めた、UFO絡みのネタ、その手の映画に対するオマージュに満ちあふれた怪作宇宙人ポール』(Astaire×PARCO配給)

 映画本篇の前に、映画秘宝まつりではお馴染みの映画評論家・町山智浩氏と、昨年も登壇した水道橋博士氏に加え、その相方の玉袋筋太郎氏も登場してのトークイベント。昨年は下ネタに走りすぎたから今年はまともに映画の解説を……と冒頭で語っていたのですが、町山氏があまりにも安っぽい宇宙人ポールの扮装をしていたのと、そもそも本篇に“男同士の友情”に絡んだプロットがあったために、全般に下ネタ寄りに。ただ、ネタばらしにならない範囲で、どこに往年のSF映画の引用があるのか、どの辺が見所なのか詳細に解説してくれたお陰で、より愉しめました。

 1時間半に及んだトークはまだまだ続きそうでしたが、安物ポール、もとい町山氏はこのあとカナザワ映画祭でも登壇予定、というとんでもないスケジュールが控えているため、映画秘宝の面々により強制終了、昨年も行われた予告篇紹介へ。昨年はまだ日本公開の予定も立っていないものが多数含まれていましたが、今年はだいたい私にとっては観たことのあるもの、知っていたものばかりでいまひとつ……と想っていたら最後に大物が控えていた。一部で話題になっていた、インド映画史上最大の予算を投入して制作されたと言われる、ボリウッド流ミュージカルとSFスペクタクルを融合した超大作『ROBOT(英題)』の予告篇が、何と日本公開が決定した、という情報付で流れたのです。配給会社が決定していないので詳しいスケジュールは発表されてませんでしたが、正直これは嬉しい。まわりはキョトンとしている中、危うく本気で拍手してしまうところでした。

 休憩を挟んでようやく本篇。もともとオタクのための映画であり、宇宙人ネタの映画として秀逸、という情報を聞いていたので楽しみにしていた作品ですが、なるほどこいつぁ面白い。町山氏が語った以外にも、この手の映画好き、UFOネタの愛好家ならニヤリとする趣向が無数にちりばめられているだけでなく、よくよく読み解くとちょっとした諷刺になっている描写があったり、かと思うと終盤の展開に実に気の利いたひねりがあったりと、サイモン&ニックコンビらしい、一筋縄で行かないシナリオになっている。テンポを殺さない演出も絶妙で、やたら宇宙人ネタの映画が多かった気がする今年の締め括りに公開されるに相応しい作品だと思います――今年の12月23日より順次公開されます。お楽しみに。

 鑑賞後は自転車を漕いで六本木へ。こちらは毎週日曜日恒例の大成龍祭2011です。作品は、ジャッキー・チェンを代表するあの作品の続篇『プロジェクトA2/史上最大の標的』(東宝東和配給)

 さすがに前作の、路地を自転車で駆け巡る逃走劇、時計塔からの転落、海賊のアジトでの大乱戦のような、アクションのインパクトこそ薄れましたが、工夫の多さではむしろ前作以上かも。非常に込み入った人間関係にも拘わらず、最終的に闘うべき悪役がはっきりしているのでカタルシスもある。完全にスタイルを確立したからこそ出来る、ハイレベルの娯楽映画に仕上がってます。いや何にしても、もはや初期の作品にあった不安はほとんど感じない、問答無用に“面白い”作品でした。……この辺は観てないはずはないと思うんだが、昔の記憶がリセットされているのか、ほとんど虚心に愉しめている私。

 いつもなら昼寝している時間を潰しての、かなり長時間にわたる映画鑑賞でしたが、2本とも私には大満足の出来でしたので、寝入ることもなく乗り切ることが出来ました――とはいえ、さすがにそろそろ脳味噌の活動が鈍ってきた気がするので、適当に切り上げまふ……。

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