スケジュールの都合で、何故か立て続けに六本木で映画を観ることになってしまいました。訪れる回数は多いんですが、そのぶん目につく粗も多いので、絶対に来ない、とは言わないまでも、もうちょっと間を空けたいんですが……諸々の都合で致し方ないのです。
1日おいての訪問となるTOHOシネマズ六本木ヒルズにて鑑賞したのは、新・午前十時の映画祭、今回の新規ラインナップのひとつです。『アマデウス』『ラリー・フリント』のミロス・フォアマン監督作品、精神病院に送りこまれた風変わりな男が起こす騒動とその影響を、穏やかな筆致で描き出し、アカデミー賞5部門に輝いた傑作『カッコーの巣の上で』(日本ユナイテッド・アーティスツ配給)。
題名も、優れた作品であることも聞いていましたが、細かい情報は得ないままに鑑賞したので、色々と度胆を抜かれました。舞台が精神病院であることとか、ジャック・ニコルソンの役回りとか。しかし、アメリカン・ニューシネマの系譜らしく救いも教訓もない展開なのに、しかし不思議なほど後味がいい。主演男優賞を得たジャック・ニコルソンの見事な演技、決して変に飾らず、落ち着いているのに絵になっている映像と、細部も見応えがある。確かに傑作でございました。
ちなみに次の新・午前十時の映画祭は『ベン・ハー』です。もう1回観ておきたかった作品のひとつではありますが……果たしてちゃんと時間が取れるかどうか。
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