遅ればせながら、日曜日、何をしていたのか、のご報告です。
見出しにもある通り、今夏放映されていたアニメ『恋愛ラボ』の特別イベントが行われたのです。いつの間にやらすっかりお気に入りで、ブルーレイ版第1巻を買ってしまい、それにイベントの先行販売の案内が封入されていたのにふらふらと誘われて、思わず購入してしまったわけで……。まあ本当にお気に入りになってますから、ぶっちゃけ楽しみだったんですけどね!
朝、予定よりも寝坊してしまいましたが、とにかく急ぎ身支度をして向かったのは、六本木。ただししょっちゅう訪れる六本木ヒルズの映画館ではなく、いつもの移動ルートからちょっと逸れたところにあるラフォーレミュージアム六本木。地図を見ても場所がいまひとつピンと来なかったのですが、本当にいつも通っている道のすぐ裏でした。というか、ときどきだけど前を通っていた。解りづらいな場所が!
イベントの開催は昼と夜の二部で、私は夜の部に参加なのですが、この手のイベントのお約束として、日中に先行で物販が行われます。そんなに大量に買い込まないほうですが、気になったものがなくなっていると切ないので、とりあえずいったん確かめるために来場したわけ。
到着したのは11時頃で、このあたりには列もだいぶ消化されていましたが、同時に品薄にもなっていました……買うつもりだったTシャツは、Mサイズが既に完売。Lサイズなら、と言われましたが、夜の部の前に行われる物販に若干数入荷がある、と言われたので、そちらに期待をかけることにして、リーフレットと、キャラクターの役職になぞらえた腕章を購入。もともと買うつもりでしたが、私が手に入れた時点で目当てのキャラの腕章は残りひとつでした。買った当人が言うのも何ですが、どうしてそんな人気なんだ書記が。……そして立ち去る前に、思わずラジオCDの2巻・3巻と原作本第1巻まで買ってしまった。流されるようにして、思わず。
勢いに身を委ねてしまったお買い物を済ませると、年がら年中足を運んでいる感のあるTOHOシネマズ六本木ヒルズへ。うまく行動出来ていれば、1本ぐらい映画を観ていくつもりでしたが、そんな余裕はなさそうだったので、後日鑑賞する予定のチケットの発券だけ行って離脱。いつものうどん屋にて、さすがに日曜日なので少しだけ待って食事を摂り、それから近くのネットカフェへ。イベント開始までの空き時間、映画感想書きと作業と……基本的には昼寝に費やしました。
そして開場する頃合いを見計らって、ふたたびラフォーレミュージアム六本木へ移動。会場に着くなり、改めて物販の列に着きましたが――Tシャツは完売してました。ああ、どうも今日は間が悪い。
18時より、イベント開始。“裸のワキに恋をした”“……夏”という謎のコピーが掲げられた舞台にまず現れたのは、制服姿のメインキャスト陣、倉橋莉子“リコ”役の沼倉愛美、真木夏緒“マキ”役の赤崎千夏、棚橋鈴音“スズ”役の水瀬いのり、榎本結子“エノ”役の佐倉綾音、水嶋沙依理“サヨ”役の大地葉の5名。私は完全にアニメ版のみで接していて、先行イベントはおろかウェブラジオも聴いてなかったりするので、いまいちノリに理解不能な部分もありましたが、しかし進行は息が合っていて和やかでした。
タイトル通り、このイベントは文化祭の趣で、パートごとにメンバーが演し物を提案して進行する、という体裁になっている。最初はエノ&サヨの3年生役コンビの提案、という格好で、声優ならではの演技を用いたお遊び。ボックスから引いたお題のとおりの芝居で、会場外にて行われている物販のPRをする、というもの……という説明ではいまいち解りにくいでしょうが説明すると長くなるので省略。予め客席に、ポストカードとしても利用可能なようにキャラクターのイラストをあしらった札が置いてあって、最後にいちばん演技が可愛くなかったひとの札を掲げる、というかたちで観客も参加できる趣向。その場のノリが愉しい、という意味ではイベント向けでした。
ふたつめの演し物は、唯一の1年生スズ役・水瀬いのりの進行で、“純喫茶いのりん”というタイトルで始まったのは――要は男性キャラ凪野智史“ナギ”役水島大宙と池澤雅臣“ヤン”役松岡禎丞を相手にしたトークショーでありました。しかし他の女性陣4人が後ろで謎の液体を口にしているなか、本来の進行役ではなくナギ役が何故か仕切っている、というシュールな光景は妙に味がありました。
純喫茶のお会計が済んだあと、いったん全員が退場し、代わりに登壇したのは南桃香役の秋奈と同じく市川奈々役の日高里菜の新聞部コンビ。『恋愛ラボ』スタッフやキャストの裏話をスクープする、という体で、壇上にて覆面座談会を行う、という趣向。で、メインキャスト5人が変な覆面をして戻ってくるわけです。当然ながら誰が誰だか解った状態なので、そのゆる〜さも愉しかったのですが、実はここの白眉は終盤。太田雅彦監督からのタレコミで、最終話、リコがマキに対してずっとついていた嘘を謝罪する練習をサヨ相手にする、というひと幕があり、劇中ではサヨがマキの真似をしているくだりは赤崎本人が当てて「モノマネのクオリティ高っ」というやり取りになっていたわけですが、サヨ役の大地もやってみたかったとのこと。舞台上で披露してみては? という現場にいない監督からの無茶振りに、渋々大地が応えて演じたのですが……これが、完璧に近かった。大地が口パクをしているのに赤崎が声を当てていたんじゃないか、と思うくらい、見事にマキの声でした。当人は「似てないでしょ」と謙遜してましたが、演者も観客もあまりのクオリティの高さに本篇中のリコよろしくどよめいていた。
このあと短い休憩を挟んで、第2部冒頭で催されたのは、メインキャストによるライブ。と言っても持ち歌はアニメOPとEDの2曲だけでしたが、2曲目に演奏した『Best FriendS』の終盤で突如カラオケの音が途絶える、というハプニングに、会場全体が手拍子とコーラスを添えて演者を引っ張る、という展開があって、異様な盛り上がりでした。最後に男子ふたりと新聞部のふたりも再度登壇したのですが、水島が「さっきと空気が違う」と口にしたくらい、一体感が増していた。
最後の演目は、原作者の宮原るり書き下ろしシナリオに基づく、紙芝居調の朗読劇。スクリーンにスタッフ描き下ろしの一枚絵を表示していって、それに合わせて演者が生で芝居をする、というわけです。ベースは『シンデレラ』なんですが、ヒロインに守銭奴サヨをあてがったのが実に炯眼の、本篇といっさいキャラがぶれない、ファンイベントには最高の内容でした。すっかり乗りまくっていた演者たちも無駄にアドリブを飛ばしたせいで一部聴き取りづらかったりしたものの、それも含めてライヴならではの躍動感があった。
最後に演者それぞれからの挨拶。皆が口々に“第2期を”と漏らし、トリを務めた沼倉が涙ぐむ場面もありましたが、気持ちはよく解る。演者の雰囲気の好さや会場との一体感は、作品が恵まれていることの証だと思います。これで終わってしまうのは確かに惜しい。順調に運んでいれば、ここで第2期の発表があって然るべきですから、必ずしも順風満帆とは言い難いのでしょうけれど、次があることを願いたい。
2時間ちょっとと、尺としては穏当な部類ですが、『恋愛ラボ』に愛着のある者にとっては非常に充実した内容でした。あまりに気分がよかったので、当初は買うつもりはなかった、受注生産のタペストリーを注文して帰ってしまったくらいです……正直、予定より金を遣ってしまいましたが、まあいいさ!
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