昨晩、ブログを更新したあと、2ヶ月ぶりのお楽しみのついでに映画を観るべく、早めに出発。今日はハシゴをするぞー、と意気込んでいました。
……この上のツイートログをご覧いただければお解りのように、電車に乗ってから「忘れ物をした!」と思いこんで反対方向に乗り換え、その途中で忘れていなかったことを思い出す、という微妙な失態を犯し、1本観る時間を失ってしまったのでした。出かける前にちゃんと確認してたのに、出る前にちょっと腹ごなしに、と母が買ってきていた広島焼きを食べたら、思いのほか量があって、食べきるのがギリギリになってしまい、持ち物の確認を大慌てで済ませたのが災いしたようです。
まあ仕方ないか、といったん家まで戻り、改めて荷物を確認したあと、しばらく作業を進めて、それからもういちど出発。当初は渋谷まで行くつもりだったんですが、2本目に観るつもりだった作品は新宿でもほぼ同じような時間帯にかかっているのが解っていたので、素直に新宿で下車。
訪れたのは新宿バルト9。他のシネコンとラインナップが被っているせいもあってあんまり来てません。前に来たのは実にほぼ2年前、山下達郎のシアター・ライヴだったという。本日の作品は、ハリウッドでもリメイクされた本邦ホラー映画の名作を、新たなスタッフとキャストで蘇らせた『呪怨 −終わりの始まり−』(Showgate配給)。新耳袋のトークライブ前にはなるべくホラーを観たいですし、劇場版第1作は試写会で観たくらいで、私にとっても思い入れのあるシリーズですから、今日これを観るのは必然的な選択でした。
……3つは褒める。でも他はおおむね駄目。第1作から時間がだいぶ経ってますし、色々と裏で大人の事情が発生していたことも解ってますから、仕切り直すのは仕方ないですし、それはそれで悪くないと思うんですが、せめて同じモチーフを扱うなら旧作を超えるか、せめて同じくらいのパワーは感じさせてくれないと。作り直すにあたって変えた点、工夫の幾つかは悪くないのに、それを活かす気配りが足りないからどーにも消化不良。やっぱり、せめて清水監督の監修は欲しかった。それこそ『怪談新耳袋』シリーズとかを観直して来い、というクオリティでした。このまま続けるのはちょっと辛いな。
鑑賞後はいよいよ新耳袋トークライブです。不安定な陽気ですが、相変わらずの人の入り……って、観客の9割がリピーターなんですから、陽気が良くても悪くてもそんなに関係はない。
毎度ながら冒頭は宣伝から……と思いきや、のっけから大物ゲストの登壇で会場が沸きました。木原浩勝氏がツイッターで既に自ら公表されているので書きますが、あの岩井志麻子氏です。ホラー作家と頑固に言い続けているけど世間のイメージはどっちかと言えばエロのひと。イメージに違わず、そして基本的に内容は外に漏らさない、というルールに乗じてまあ言いたい放題。今回のイベントの模様はKADOKAWAの『野性時代』に掲載される、とのことですが、あの展開で果たしてどの程度原形を留めているのでしょうか。1時間半ほど嵐が吹き荒れたのち、まだ本題に入らないというのに挟んだ休憩の途中で、編集の方が「8割は載せる」と約束した、と木原氏が仰言ってましたが、現物で確かめるしかなさそうです。本当に8割でも載ってたら賞賛しよう。
よーやく本番の怪談……まあ岩井氏の話もけっこう怪談が混ざってはいたんですが、ようやくいつもの怪談に入るのか、と思いきや、今日はこのあとも趣が違った。最近の取材でたまたま発見した映像があまりにも凄かった、というので、その発見過程も含めて、多くの映像を鑑賞する、という流れに。例によって詳細は書けませんが、まさに映像の怪奇ドキュメンタリーの面白さを地で行くような内容に、興奮を禁じ得ませんでした。
更に休憩を挟んだそのあとも、またメインは映像でした。ただこっちは、登壇前に木原氏が現物を確認していなかったせいもあって、正直なところ映像としてはいまいちでしたけれど、結果として停滞していた映像版『新耳袋殴り込み』に新しい展開を予感させる成り行きに。今年は劇場版どころかオリジナルビデオでも音沙汰がなくて寂しい想いをしている方も多いでしょうが、もしかしたら来年辺りは期待出来るかも……と無責任なことを囁いてみる。
怪談は最後、ちょこっと添えただけでしたが、しかしこれもなかなかのパンチがあって凄まじい内容。これまたたぶん外には出ない可能性が高く、短いながらも充実してました。
記念すべき100回目に備えてちょっと力を蓄えているのか、いつもと全体に趣は違ってましたが、それでもやっぱり面白かった。あの映像、そんじょそこらの怪奇ドキュメンタリーが裸足で逃げ出すくらいの凄味があったんですけど、出さないつもりなのかなー……。
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