ふだん、休祝日にはあまり映画鑑賞には出かけません。基本的にゆったりと観るのが好きなので、客が多すぎる状況は、よほど理由がなければ避けたいのです。しかし今日は、新・午前十時の映画祭上映作品を観に行くタイミングが今週、今日か金曜日しかなく、金曜日はなるべく封切り作品に充てたい、という事情もあるので、ひとが多いのを承知で朝から出かけてきました。まだ10時前、途中の道は空いてるんですけど、やっぱり映画館には既にひとが集まってました。
新・午前十時の映画祭今期の作品は、ビリー・ワイルダー監督とジャック・レモン&シャーリー・マクレーンという『アパートの鍵貸します』のチームによる1963年作品、警官から娼婦のヒモになってしまった男が嫉妬のあまりに繰り広げる騒動を描いた艶っぽいコメディ『あなただけ今晩は』(日本ユナイテッド・アーティスツ配給)。2011年、震災のちょっと前にDVDで鑑賞して以来です。
ちょっと体調が思わしくなく、初っぱなから眠気と少し戦いながらの鑑賞でしたが、面白さは初見の時と変わらず。さすがにテンポは古いかな、とも思うのですが、思慮の行き届いた設定と予想を超える終盤の展開、何より細かに鏤められたユーモアが快い。率直に言えば、シャーリー・マクレーンのキュートさは『アパートの鍵貸します』のほうが上だと思うんですけど、見所の多さでは引けを取ってません。……というか、これを観たら『アパートの鍵貸します』が観たくなってきたんですけど、借りてこようかしら。
次回上映は黒澤明『羅生門』です。黒澤作品は出来るだけスクリーンで鑑賞する、という縛りを自分に課してしまったせいでなかなか観られなかった1本。早めに押さえてきます。
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