爆笑問題withタイタンシネマライブ#84 at TOHOシネマズ日比谷。

 本日は2ヶ月にいちどのお楽しみ、爆笑問題withタイタンシネマライブの開催日です。
 在宅透析に切り替えたことで透析時間の融通が利くようになり、以前のようについでにもう1本観る、というコースが定着しており、今回もそのつもりでした……が、どうやってもスケジュールがうまくない。いちばんのお目当てはプレミアスクリーンで観たいのに時間帯が離れているか丸かぶりしている。他の第2候補、第3候補も微妙にしっくり来ない。いちおう、「これなら」というものを2本ほど見つけ出しましたが――最終的に、諸々の事情から、ハシゴはしないことにしました。作業が、いつもよりは順調ながら油断は禁物という段階にあることも然りながら、この状況で今日、明日と連日イベントへの参加予定が入っているのが大きい。さすがにここまで通常と違う動きが重なると体力の消耗が激しいのです。そうでなくても夏バテ気味だというのに。
 ゆえにお出かけはだいぶゆっくりめ。母に買い物を頼まれているので、ちょっと早めに現地入りするくらいでいいさ、と余裕ぶっこいて準備をしていたら、お出かけ中に使っているBluetoothレシーバーが行方不明で、しばし探し回る羽目に。15分ほど探索して、今日のところは諦めて音楽なしで出かけることに……別に要らないっちゃ要らないのだそもそも。

 本篇前のオープニング映像はキュウが登場、来月に開催される単独公演の宣伝。宣伝だけどちゃんとネタになってます。そこまで凝ってはいないけれど、らしくてよし。
 本篇のトップバッターはガールズナイト。タイタンの新人枠です。仕掛け自体はごくごくシンプル、でもちゃんと面白い。個人的にはもうひと展開あっても良かった気はしますが、次も見てみたいクオリティはありました。
 ふた組目は常連になりつつあるしびれグラムサム。アニメやドラマの名言を関西弁に変換出来る、というフリか展開していくのですが、正直、最初のチョイスはよくない。言っているシチュエーションが笑いにはなりにくいところを使うのは悪手だと思う。そこからの展開は面白かったので、よけいもったいない。
 3組目は春とヒコーキ。野球の試合をテーマにした、一点突破のネタ。本当にやってることは単純なんですが、しっかり面白い。けっこう技術があるコンビなのに、最近こういう一種ベタな手口で笑わせてきます。こういうのも嫌いじゃない。
 4組目はダニエルズ。テーマパークスタッフの新人研修、というシチュエーションをイジってます。オチだけなら予定調和なんですが、過程の毒が凄い。しかもなんかありそうなのが効いてるのです。
 5組目はネコニスズ。子供にどう対処するか、というこれもありがちのパターンを、最近のネコニスズ特有の流れに持っていきます。なんか、ボケがあの見た目になってから、すっかりそこに引っ張られてる気がする。
 6組目は本日最初のゲスト、チャイム。YouTubeは《赤プルと旦那》でやっている、つまりは茨城弁でのネタが一時期人気だった赤プルと、のちに結婚した芸人・松丘慎吾が組んだコンビです。松丘はボキャ天にも出ていた芸歴の持ち主ですが、組んだ人に色々起きるので一時期“デスノート”呼ばわりされていたらしい。なにせネタの知名度が違うので、序盤は赤プルのネタを軸に進めていきますが、後半は松丘が喋る喋る……ただ、オチがあんまり下品すぎて、私は正直、引いた。登場人物が気の毒だ。
 お次は脳みそ夫。VTRを絡めることでネタのクオリティが格段に上がってきたこの方、今回もよくあるデスゲームにある要素を絡めて擽ってきます。そのネタが私のどストライクだったので、全体的には楽しかったのですが、何箇所か浅はかな思い込みでネタにしてしまっている部分があって、少々興醒め。それのタイトルに“朝”は入ってないのだ。
 続いてはシティホテル3号室。今回は序盤だいぶクレイジーなひとが登場してきたように見せかけて、言っていることはけっこう真っ当、という不思議な仕掛け。そのものの特徴を知らない体で、しかし概ね押さえているところが絶妙です。
 その次はまんじゅう大帝国。季節柄、怪談をネタの軸に据えているのですが、こちらも単語のチョイスやひねり方が巧い。ちゃんと怪談における定番の要素を踏まえて、ディテール次第でちゃんと怪談になりそうなのが尚更おかしい。もうちょっとツッコんで欲しいかな、というポイントもありますが、ボケが入り組んでいるため、間延びしない範囲に収めると多少抜かりが出るのもやむなし。
 10組目は第2のゲスト、街裏ぴんく。つい先日ラジオ番組『JUNK 爆笑問題カーボーイ』にゲスト出演するまで名前自体知りませんでしたが、出てきたときの喋りが面白かったので期待していた……が、正直これはあんまり乗れなかった。この人のネタは、平成の様々な出来事ぜんぶに自分が関わってきた、という体で、微妙にリアルな嘘をつく、というスタイルなのですが、今回の嘘は度が過ぎている上に展開が成立してない。細かなエピソードの積み重ねではなく、ひとつの大枠のなかで嘘を続けていくかたちだったせいで、途中で不自然さが募りすぎてまったく楽しめなかった。このひとは他の芸人と絡んだほうが面白いのかも……。
 お次はウエストランド。M-1優勝以降、あまりに忙しくなり、あちこちで悪口を要求されるせいか、全方位に怒るネタで仕掛けてきます。ただこのほうが、ネタで怒ってるんだ、というのは伝わりやすいかも知れない……この芸風はなかなか茨の道ですが、もう引き返せないので、頑張れ。
 タイタン枠の最後はキュウ。珍しく清水のほうからゲームを仕掛けてくる展開。しかしひねり方は相変わらずキュウらしい。たぶん観客の大勢が思ったことを的確なタイミングで放り込んでくるので実に効果的です。途中、ウケないことを承知の上なので、賞レースではリスキーですが、私は彼らのこういう仕掛け方が好き。
 続いては3組目のゲスト、ナイチンゲールダンス。ツギクル芸人グランプリ2023で優勝したコンビだそうです。なるほど勢いがあっていい。あまりにも勢い任せで、終わったら細部をほとんど覚えてなかった。いちおうネタの方向性はメモしてるんですが、あまりにも細かい擽りが多すぎるのだ。
 お次は大トリ前常連のBOOMER&プリンプリン。ブレイキングダウンのオーディション、という体で繰り広げるいつもの演芸です。爆問の前にこの緩さがあるのはそれなりに大事、とは私も思ってるんですが、それでも河田の小ネタは控えめにしたほうがいいと思う。ほんとに、毎回そこで無駄に時間食ってるぞ。
 そして大トリは爆笑問題です。『君たちはどう生きるか』のヒットの話からいつものように時事ネタの連発。しかし、途中で田中がツッコんでいたとおり、今回は太田のボケで出てくる時事ネタが古すぎる。私もすっかり忘れてた話が多すぎだ。途中、田中の言い方が妙な笑いを引き起こしたりしていて、最近のネタではいちばん沸き方が凄かった。
 エンディングトークは、単独ライブを控えたキュウから、チャイム、街裏ぴんく、ナイチンゲールダンスの順で登壇。印象的だったのは、チャイム松丘がバイトで人と話す機会が極端に少なく、久しぶりの舞台で喋りたくてたまらない、というくだりと、楽屋でも大ボラをぶっ放している街裏ぴんくが、赤プルの過去の話のインパクトに負けて密かに心が折れていた、という話……だから調子が悪かったのかなぁ。
 次回は10月13日。某イベントの都合で、こんどはTOHOシネマズ新宿に観に行きます。

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