第25回東京03単独公演「寄り添って割食って」追加公演 in 恵比寿ガーデンホール。

 東京03の第25回公演、東京での初演からはや3ヶ月半。全国ツアーは終了、金曜からのこの3日間は東京に戻って追加公演が実施されています。
 以前は、初演は生で、追加公演は避けるかせめてライブビューイングで、というかたちで鑑賞していましたが。コロナ禍以降、ライブビューイングは実施されず、配信での対応がメインになっている。まあ仕方ないか、と素直に利用しはじめたものの、正直これがしんどい。そうでなくても配信は各家庭の通信環境への負荷が大きく不安定なのに、どうも東京03が利用している配信サービスは、大元の方が安定していない。たいてい配信チケットは見逃し配信が数日は可能なので、トラブルでしっかり観られなかった箇所をあとで補うことは出来ますが、正直苛立ちは禁じ得ない。
 そこで今回は思い切って、追加公演も可能なら現地で鑑賞することに。抽選に落ちたら配信にしよう……なんて言ってても、なにせ東京03ファンアプリの優先販売はやたらと当選確率が高い。無事に買えてしまったので、出かけてまいりました。

   劇場は、東京03の公演ではお馴染みの恵比寿ガーデンホール。ここは非常に駐めやすい駐車場があるので、バイク乗りにとっては利用しやすい施設です……欠点は、前後に食事を摂ろうと思うと、駅を挟んで反対側まで行かなきゃならないことですが、まあ大した問題ではない。
 が、台風の影響なのか、当初はちょうど私の出かけている時間帯にきっちり雨の予報が出ていたのですが、思いのほか早い時間に大雨が降って、そのあとは雨の気配が一気に薄れた。それでもギリギリまで悩み、しかし思い切ってバイクにて出発。
 途中、経由する道路の混み具合を軽視してしまい、やや時間がかかったものの、ほぼ開場時間にガーデンホールに到着。追加公演から販売を始めたという東京03グラフィックTシャツの新色だけ購入して座席へ。
 ……どうでもいいが、なんで私は抽選方式のチケットだと左右どちらかの端になりがちなんでしょう。東京03のライブはファンアプリの当選確率がやたら高いのが助かりますが、だいたい前方のどちらかの端寄り。しかも今回は、前日のタイタンシネマライブと同様に左寄りです。もうちょっと中央寄りにしてくれんものか。ただ、初演のときがわりあい後方で、表情までは捉えきれなかったのが残念だったのですが、今回は左寄りとはいえ前から2列目、という好位置。表情まで完璧に見えるのは嬉しい。
 以下、数行の空白ののちに詳しい感想を記します。細部まで緻密に描写したりはしませんが、予備知識をちょっとでも入れたくない、という方は、スクロールしないようにご注意を。

恵比寿ガーデンホール、ロビーに掲示された『第25回東京03単独公演「寄り添って割食って」』ポスター。
恵比寿ガーデンホール、ロビーに掲示された『第25回東京03単独公演「寄り添って割食って」』ポスター。






























 演目の詳細については、初演のときの感想をご参照ください……手を抜いている、というより、観た感じ、今回はそこまで派手に変化したところはない気がします。
 とはいえ、細部は確実にブラッシュアップされている。例えば冒頭の《処世術》なら、上司の助言に従った部下の得意げなリアクションをだいぶ強めにしていましたし、なぁんとなく織り込む形にしていた《ブラックアウト》のオチの言葉も、明確にオチとなるよう、あえてひとりになる状況を作って言わせている。03にしては珍しいキャラの個性だけで押し切る感のある《嫌いな上司》など、ひとつのキャラの中で共存させねばならないふたつの特徴のバランスがより丁寧になって、リアリティが生まれた。全国で公演を重ね、どこがウケたか、どこでもうひとつ反応が欲しいのか、をきちんと分析した成果がこの追加公演の段階ではしっかり反映されてる。出来たてで楽しみたいから私は基本初演を観てしまいますが、そのうえで追加公演も配信なり何なりで鑑賞してしまう理由がここにある。言い換えると、卸したての状態が鑑賞出来る初演こそやっぱし貴重、と感じているわけですが。
 2回目でも、というか、2回目だからこそ余計に感じる芝居の巧さ、間の巧さを存分に堪能させてもらって本篇は終了。長ったらしい言い訳のテキストを挟んで、追加公演恒例の追加演目です。
 ゲストは《東京03 FROLIC A HOLIC》シリーズではお馴染み、追加公演などでの客演も多かった浜野謙太。正直に行っちゃえば、ファンとしては意外性のないゲストで、逆に何をするのか、と思ってましたが――まさかの主題歌『なんで仲良く出来るのか?』の生演奏でした。
 追加演目前のテキストによる言い訳、東京03による舞台挨拶ついでの前説によれば、今回売れ行き好調だった公演グッズの中で唯一、売上が芳しくなかったのがサウンドトラックCDだったらしい。枚数も言ってましたけど、確かに観客動員数から考えると悲惨な数字。そこで、生演奏でPRする、という趣旨。
 しかし、弾き語りのままでは面白くないので、浜野謙太というゲストにバンドまで入れたアレンジでお披露目。なんか03らしくない、という風に感じるかも知れませんが、ちゃんとコントライブらしい仕掛けも用意されていて、その辺抜かりはありません。そして、生バンドを入れていればこそのネタも複数仕込んでいる。私の音楽好きの部分も充分に満足させてくれました。
 というか、ゲストが浜野謙太、と知ったときに、このところ各公演1回は観に来ているくらいのファンなら覚えるであろう違和感にもちゃんと決着をつけてくれてるのがまた憎い。
 ここしばらくのものとは違う趣向の追加演目でしたが、やっぱりちゃんと楽しかった。初演のときよりも丁寧にネタを鑑賞出来る、という点でも、追加公演は追加公演で、改めて生で鑑賞する価値はある――嗚呼、こんな楽しさを覚えちゃったら、次の単独公演でもおんなじコースを辿ってしまうでわないか!!

 公演終了後は、恵比寿駅を挟んでほぼ反対側の位置にある初訪問のラーメン店まで1キロばかり歩いて赴き、夕食を摂ったのち、ふたたび1キロ戻ってバイク駐車場へ。夏休みも最後の土曜日だからなのか、わりと走りやすい道路をの~んびりと走って帰宅しました。ああ楽しかった。ラーメン店については例によって、そのうちにレポートをアップします。

 以下余談。
 追加演目の際、東京03のお三方はもう舞台衣裳ではなく、宣伝も兼ねてグッズのTシャツを着用している。で、飯塚さんの着ていたのが、私がきょう買い足した03グラフィックTシャツの新色メロン色だったのが、妙に嬉しかった。私は基本、ネタを書いているひと贔屓なのです。


第19回東京03単独公演「自己泥酔」
東京03 FROLIC A HOLIC「何が格好いいのか、まだ分からない。」
第20回東京03単独公演「不自然体」
第21回東京03単独公演「人間味風」
第21回東京03単独公演「人間味風」追加公演
東京03リモート単独公演「隔たってるね。」
第22回東京03単独公演「ヤな塩梅」
東京03稽古場公演「拗らせてるね。」
第23回東京03単独公演「ヤな因果」
第24回東京03単独公演「ヤな覚悟」
第24回東京03単独公演「ヤな覚悟」追加公演
東京03 FROLIC A HOLIC feat. Creepy Nuts in 日本武道館 なんと括っていいか、まだ分からない 3月4日公演
第25回東京03単独公演「寄り添って割食って」

コメント

タイトルとURLをコピーしました