MYSCON8(夜の部のみ)

 諸般事情から今年のレポートはごく簡単に済ませます。理由はいずれ解ります。

入場

 昨晩慌ただしくおおまかにサイト更新を済ませたあと、急いで会場へ。例によってスタッフの皆さんが出迎えてくれましたが、昼の部があったためか、なんとなく皆さん既に疲労困憊。荷物を置いたあと、玄関先や同人誌販売部屋に行って雑談する。懐がえらい寂しいので同人誌は買わない――つもりでしたが、市川憂人さんの同人誌のうち未購入の1冊だけは買いました。他に松本楽志さんから貸していたDVDを回収しつつダブった本を頂戴したり、冬野佳之さんを政宗九さんに紹介したり。……この時点で片付けたい用件はあらかた終了。

開会→個別企画序盤

 shakaさんによる開会宣言のあと、一拍おいて個別企画へ――なのですが、今年は夜の部では全体企画を設けず流動的に進行しているため、そのまま大広間でほとんどの人が雑談モードに。順次、企画の開催されている部屋へと移動していく。

 最初はライトノベル企画と、笠井潔の『探偵小説評論』などというハードな素材を用意した読書会が催されましたが、後者は今日集中出来そうもなく、前者は人が多すぎて、わたしがいると邪魔そうだったので、ひとまず夕食を採りに行くことに。だいぶ前に政宗さんらと訪れ、以後MYSCONのときを中心に何度か訪れたことのある蕎麦屋に赴いたのですが――3月31日で閉店しました、という貼り紙がしてあった。ぶっちゃけこの日最大の衝撃に打ちのめされつつ、近くの弁当屋で買って会場の大広間で食べました。この時点で人はおおむね各企画に移動、大広間でも古典について延々語り倒す企画が始まっていたのですが、わたしはそちらにも混ざらず、なんとなく耳を傾けながら、

 仕事をしていました。しょうがないじゃん月曜朝までの提出なんだもん少しでも進めないとあかんだもん!

個別企画・初心者なんです!

 1コマ目が終了した頃合いに、ノートPCを抱えて上階に移動。当初はテレビ番組のシステムを流用した『ミステリ・ザ・チーター』を眺めるつもりでしたが、これも満員盛況の様子だったので、テーマ別に雑談をする、という趣旨の部屋に移り、話を聴きながら片隅で仕事を続けることに。

 で選んだのが、ミステリ初心者も交えてあれこれ語ろうという場所。shakaさんが舵取りをしながら、各自の原体験や理想的なミステリについて話していったのですが、なんとなくけっこう話に混ざってしまい、仕事は進みませんでした。初心者というよりは中級・上級、或いはかなりポリシーを持っている方が多く(イベントの趣旨を考えれば当然)、なかなか楽しいひとときでした。

 それにしても、あちこちで原体験や記憶に残る作品として『ポートピア殺人事件』などゲームを掲げる人もぽつぽついて、この辺について語るのも面白いのでは、と思ったのでした。来年あたり誰か企画してくれんだろうか。喜んでかき混ぜますが。

犯人当て企画『ザ・ラスト・トリック』解決編朗読会

 次に参加したのは、“MYSCON史上最もミステリ・イベントらしい企画”の呼び声も高い犯人当て企画。近田鳶迩さんと小田牧央さんのお二人が時間をかけた調整の末に書き上げた問題篇を予めネット上に掲載、解答を募ったうえで、会場にて解決篇を朗読にて発表しようというもの。ここ数日多忙すぎて、問題篇を読む時間はなかったのですが、渾身の企画のようですし解決篇聞いていれば問題篇の概要もだいたい掴めるだろうしあとから読めばOK、と、ここだけは仕事を捨てて鑑賞――するつもりが、同じ部屋で先行していた『ミステリ・ザ・チーター』が盛り上がりすぎて押し、更に下準備にも時間がかかって、若干遅れてのスタート。そのあいだ某氏と廊下で情報交換したり。……ここでしなくてもいいのに。

 そしてようやく朗読スタート。しかし朗読とは言い条、実質的に台本を読みながらの舞台と言ってもいい、凝った発表の仕方をしてました。途中からどんどん動きが入って、最後には演出も手の込んだものになっていく。練習が足りなかったせいかとちっている箇所も少なくなかったものの、かなり見応えがありました。

 内容的にはよく練られて、仕掛けもふんだんな意欲作でしたが、やっぱり犯人当ては難しい。凝りすぎて上滑りしている仕掛けや、論理に飛躍がありすぎて承伏しかねる部分、そもそも犯人当て企画の解決篇としてはちょっと長すぎ、小説的なお遊びが多すぎるなど、問題も多々感じます。しかし、披露するためのイベントとしては充分に楽しかった。後日解決篇も公式サイトに掲載されるはずですが、あの楽しさは現場でないと味わえません。個人的にも、本格ミステリへの飢餓感を煽られ、久々に情熱に火が点いた気分です。

その後

 以降は主に大広間に居座りパソコンを前に苦闘しつつ、しばしば気晴らしと称してあちこちの企画を覗いたり混ざったりして過ごす。けっきょくいちばん長く居ついていたのは、近田・小田両氏を中心にした犯人当て企画の反省会だったため、わたしにとって今回のMYSCONはこの企画に尽きる気がしてます。

 企画が各所に散ったためか、或いは昼夜二部制になったため体力の消耗が早まったのかそれともみんな年になったのか、4時を過ぎる頃には大広間の人口が極端に減り、わたしもここ数日の寝不足が祟ってもう頭が動かなくなったので、初めて寝部屋で3時間ほど眠ることに。

閉会

 8時に終了、参加者全員いったん大広間に集ってから、散会となりました。いつもなら周辺でだらだらしてから帰宅するのですが、まだ仕事が残っているわたしはさっさと離脱。例年なら徹夜の反動で昼頃まで自宅にて惰眠を貪るところを、既に一眠りして多少頭がスッキリしているので、そのまままたパソコンに向かい合う――がやっぱりまだまだ寝不足であまり捗らず、午後にもういちど寝ました。これからまた仕事よー。

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