怒濤の3本鑑賞、そのあいだに大つけ麺博 ご当地つけ麺GP。

 ……本日は朝からひたすら出かけてました。

 まずは朝です。まだ体調が充分でなく、ひたすら眠かったのですが、既にチケットは確保してあるし、そもそも目当ては第2回新・午前十時の映画祭上映作品であり、今日で現在の番組が終了となるので、意地でも行かないわけにはいかない。眠いけど自転車を漕ぐぐらいの体力はあるので、頑張ってお出かけ。

 ちょっと間は空きましたが依然として今年いちばん訪れているTOHOシネマズ日本橋にて鑑賞した新・午前十時の映画祭上映作品は、遂に登場、黒澤明監督が芥川龍之介の小説をベースに、人間の業を描いた歴史的傑作羅生門』(大映配給)。しばらく前に、黒澤作品はなるべくスクリーンで上映された機会に鑑賞する、というルールを自分に強いてしまったがために、観たくても観られなかった代表作です。

 体調が悪いので、観ているあいだ眠かった、しかし眠れなかった。極めて限られた人物、舞台で実に重層的に描き出される謎と人間の業の深さがずしっとのしかかってきて。三船敏郎京マチ子の圧倒的な演技力もさりながら、一見美しく締めくくったように見える結末にも裏があるように読めてしまうプロットの緻密さがやっぱり凄い。ああ、観られて良かった。

 いちど帰宅し、昼食を摂りちょこっと仮眠を取ってから、もういちど出発です。帰りが御前様になる予定なので、さすがに自転車はあんまりよろしくない、と判断して電車にて移動。目的地は新宿です。

ことしの看板。
 ひとまずチケットだけ確保しておいてから、まずは大久保公園まで足を伸ばしてきました。このところ毎年恒例となっている大つけ麺博が、昨年に続いてここで開催されているのです。今回は大つけ麺博 ご当地つけ麺GPというタイトルで、あらかじめWebでアンケートを採り、ファンが食べてみたいご当地つけ麺が一堂に会する、という趣向になってます。

 昨年から始まった、時間帯指定による予約に似たシステム・ファストチケットは今年も採用されていて、予め行く時間や食べたいものが決まっているなら、利用しない手はない。事前に食べたいものは選んであったので、昨日のうちに確保しておきましたから、余裕を持って訪れた……のですが、そもそもファストチケットなんか使わなくても問題ないくらいに空いている。それなりに人の姿はありますが、どの店舗も行列が出来ているというほどではない。たぶんまだあんまり露出していないか、金曜夜よりは土・日のほうが勝負なんでしょうけれど、ちょっと心配なような、わざわざファストチケットで買った甲斐がないような。

 私が今年最初に選んだのは、昨年“つけ麺の達人賞”を獲得した札幌つけ麺 風來堂の味噌つけ麺です。……実は去年もこの店を最初に選んでいたのですが、それは帰って記事を調べ直していて気づきました。実際に食べてヒットだったので楽しみにしていたからではあるんですが。

 今年も安定して美味しい。序盤は麺と肉のみで体調不良・胃弱気味にはしんどいかな、と思いながら箸を進めるのですが、メンマやもやしが沈んでいたおかげで、スープの濃さのわりにはスッキリと味わえる。昨年はスープ割りを用いずに飲みきってしまったようですが、ちゃんとスープ割りを頂戴すれば、最後までさっぱりといただけます。

 あまりにもさっぱりと食べきってしまったし、今のところ行列が出来ている店もないので、もういっぱい挑戦してみようかしら、と思ったのですが……ごく冷静に考えて、控えました。私のコンディションでは、ラーメンは1日1杯が限度よ。

札幌つけ麺 風來堂の味噌つけ麺。 ちょっと余裕が出来たので、書店をぶらついて時間をつぶし、映画館に戻る。劇場は約1年10ヶ月ぶりの新宿ピカデリーです。

 本日2本目の作品は、『アンノウン』のジャウマ・コレット=セラがプロデュース、記憶を探る能力を持つ探偵がトラブルを抱えた少女の謎に挑む記憶探偵と鍵のかかった少女』(Asmik Ace配給)。主演がマーク・ストロングというのも素敵でしたが、とにかく設定だけで惹きつけられたので、チェックしないわけにはいかなかった。

 ちょこっと見せ方や細工にもうひとひねりして欲しいかな、という部分もあれど、基本的にはミステリの醍醐味が堪能出来る良篇です。ちゃんと考えて組み立てられていて、結末に驚いたあとで冷静に検証してみるとよけいに慄然とするはず。……詳しく語りにくいのが難ですが、個人的にはオススメ。

 30分ほどあいだを挟んで、同じ新宿ピカデリーにて観た本日のトリとなる3本目は、稲川淳二の作品にまつわる映像に記録された怪奇現象を、『へんげ』で注目された大畑創監督が発掘・構成した異色のホラー劇場版 稲川怪談 かたりべ』(ローソンHMVエンタテイメント×松竹メディア事業部配給)。今日こんな無茶なスケジュールになったのは、観たかったこの作品が今日で終わるから……って、よく調べてみたら、渋谷TOEIであと1週間続くの気づきましたが、まあいいか。

 実話に見せかけたフェイクなのは明白ですが、アイディアが込み入っていて見応え充分。私にはこの作品、どー考えても発想もロケーションも白石晃士監督の影響が如実なんですが、それもまた嬉しいところだったりします。力尽くで観客の精神をへし折る、みたいな白石監督作品と異なり、語りのテクニックと細工でじわじわとダメージを与えてくるその手管は、『へんげ』の監督らしいこだわりが感じられる。ひとによっちゃケラケラ笑って終わり、となりそうですが、よく練り込んだホラー映画であることは確か。……ただ、特別興行扱いで各種割引がぜんぜん効かないとか、プログラムが1,000円もするのはやめといて欲しかった。そうでなくても最近は出費を抑えるために、イーストウッド監督やジェイソン・ステイサム出演作とかの大好きな作品群、あるいはよほど惚れ込んだ作品しかプログラムは買わないようにしてますが、今回は試し読みさせて貰ったうえで購入を控えてしまったくらいです。

 ……というわけで、妙に長かった、けれど充実した1日は終了。家に着いたのは午前零時過ぎ、映画感想にもほとんど手をつけられませんでしたし、当然のように疲れなんか抜けてませんが、満足です。でも明日、明後日あたりはさすがに家でおとなしくしてようかな……。

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