映画が観たい、という気分でもありましたが、それ以上に「たまには遠出したい」「そろそろいつものうどん屋行きたい」という気持ちが強く、観る作品を確定させないまま、朝から自転車にて出かけました。左目のほうは、とりあえずもう日常生活にあんまり支障がない程度にまで視力が戻っているので――とはいえちょっと怖いので、少しばかりゆっくり漕いでました。ゆっくり漕いでいたはずなのに所要時間はいつもとそんなに違わなかったのはこれ如何に。
当初は、先日リニューアルオープンしたばかりのTOHOシネマズ六本木ヒルズで観ようかとも思ったのですが、現在はどーしてもここで観たい、というものは私には特になく、いちおうチェックはしてあったんですが、現地に着いた頃には上映開始時間に差し掛かっていたので、第2候補として考えていた作品を観るべく、シネマート六本木へ。
鑑賞したのは、空撮のみで台湾を捉え、その美しさと自然破壊を記録したドキュメンタリー『天空からの招待状(吹替)』(ACCESS-A×シネマ・ハイブリッドジャパン配給)。実は昨年末の公開時から気にしていたのですが、何だかんだで訪れる機会が見つけられずにいた1本です。3ヶ月に及ぶロングランを遂げてくれたお陰で、何とか鑑賞できました。
とりあえず、台湾がこんなに広くて豊かな自然を持つ土地だったんだ、というのに正直まず驚いたんですが、そうして大地の悠然たる美しさを切り取ったあとで、災害や人間の営みがもたらしたあからさまな変化を突きつけてくるので、思った以上にメッセージ性が強烈です。無秩序で刹那的な開発に警鐘を鳴らす。ただ、闇雲にナレーションで説教を連ねるのではなく、詩的にそして穏やかに解決の道へと誘おうとする態度が快い。終盤、ヘリコプターに気づいたひとびとが手を振るカットを並べたり、歌に合わせて踊る姿を捉えたシークエンスはちょっとあざといくらいですが、この積み重ねのあとだとぐっと来る。いいドキュメンタリーでありました。
シネマート六本木は今年6月で閉館することが発表されてます。現在公開中のものが1本、公開予定作品にも1本、観たいものがあるので、最低あと2回は来ることになる、はず。館内の動線がグチャグチャだったり、映写の技術や配慮に難ありだったり、色々と気になるところはあったんですが、アジア系の作品をよく拾ってくれたので、無くなるのはやっぱり惜しい。ギリギリまで足を運ぶつもりです。
鑑賞後は予定通り、行きつけのうどん屋にて昼食。それから、近日鑑賞する作品のチケットを確保したり、レコード屋に立ち寄ったりしてから帰宅。だいぶ良くなった、とはいえまだ少し余計に神経を使ってますし、眼とか体調に気を使うあまり、最近遠出が減っていたので、この移動ですっかりヘトヘトになりました……。
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