アントニオ・サンチェスの名前に興奮した。

 封切り作品を鑑賞する日、ですが諸般事情から夕方から鑑賞することに決めておりました。話題性からも、早いうちに座席が埋まる危険もあったので、一昨日のうちにさっさとチケットを押さえておいた。

 ただし午前中も自宅でじっと作業していたわけではない。来月あたまに、クリント・イーストウッド作品のオールナイト上映が行われる予定で、その前売り券が本日より発売でしたから、飯田橋へと赴いておりました。

 上映館はいわゆる名画座として著名な飯田橋ギンレイホールです。私にとっては初めて訪れる劇場だったため、飯田橋付近まで来たところでiPhoneの地図アプリを参考に移動したのですが……施設名で検索して出た場所が明後日だったために、20分ぐらい間違った場所を彷徨ってしまった。何だったんだあれは。それでも、さすがにすぐにチケットが捌ける、という性質のものではないようで、かなり若い整理番号のものを確保することが出来ました。来月が楽しみだ。

 帰宅し、食事したりちょこっと作業をしたり仮眠を取ったりしたあと、夕方からふたたびお出かけ。予報通りにしっかりと雨が降っているので、こんどは電車での移動です……今週末から来週にかけて、雨の予報が多いのが切ない。

 一昨日と同じTOHOシネマズ日本橋にて鑑賞したのは、今年度アカデミー賞作品賞に輝く作品、再起を賭けた舞台に臨む元ヒーロー映画俳優の悪戦苦闘を、擬似ワンカットの手法で描いたブラック・コメディバードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(20世紀フォックス配給)

『21グラム』や『バベル』を撮ったアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の作品で、新機軸、みたいな言い方をする評論家もいるんですが、基本的には解釈を観る側に委ねる穿った組み立ては相変わらず。俳優やスタッフ、そこに批評家や観客まで含めて嘲笑うような作りで、その挑発的な趣向にも痺れるんですが、しかし何より、それを表現するために緻密な計算と根気強い撮影を行っていることにとにかく唸らされます。実際にはワンショットではないのは一目瞭然なんですが、これを実現させるためにいったいどのくらい工夫をしたのか。自らの俳優人生をも揶揄するような趣向に真っ向から臨んだマイケル・キートンや、パンツ1丁でエキセントリックな俳優を怪演したエドワード・ノートンの熱量も凄まじい。

 しかし個人的には特に、音楽が衝撃でした。終始鳴り響き続けるドラムのみ、というもので、これが作品のビート感を増している。うわーこの演奏好き、と思っていたら、エンドロールにドラムスコア担当としてアントニオ・サンチェスの名前があって心底驚いた。パット・メセニー・グループのドラマーであり、ソロ・プロジェクトの支援をはじめ、チック・コリアなど大物ジャズ・ミュージシャンとの共演も多い人物です。道理で私のツボだったわけだ。

 色々な意味で刺激的な内容で、アカデミー賞獲得も頷けるところなんですが、しかしそれ故にかなり上映規模が拡大しているっぽいのが気になります……決して解りやすい感動や衝撃を与えるものではないですから、もーちょっと小規模でも良かった気がする。初日の動員は悪くないようですが、どの程度続くのかしら。

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