午前0時のフィルム映写会 クリント・イーストウッド特集at飯田橋ギンレイホール。

飯田橋ギンレイホール、ホールに掲示された特集上映作品のポスター。 昨日の更新のあと、電車にて飯田橋に赴き、鑑賞して参りましたクリント・イーストウッド

 名画座として歴史のあるギンレイホールですが、私は今回初の訪問です。心置きなく鑑賞したくて、かなり早く整理券を確保してきたんですが、どうも正解だったらしい。現地に着いてみたら、大盛況。チケットは完売して、立ち見まで出ている状況でした。キャンセルがあれば着席は出来るそうですが、こんなに入るとは思ってませんでした。販売開始直後に押さえといて良かった……。

 上映開始前には、担当する映写技師による挨拶がある、というのもこういう劇場の特集上映ならでは。わざわざキネカ大森の映写技師の方もお招きしている、というのにちょっと驚きます。趣旨として、全作品フィルムで上映する、というのがこの“午前0時のフィルム映写会”という企画だそうで、フィルムの状態に起因するトラブルはお許し下さい、という挨拶でしたが、幸い大きなトラブルはありませんでした。コマ飛びはあったけど。

 1本目は、クリント・イーストウッド初期の代表作ダーティハリー。劇場で観るのは2度目です。最近プリントされた、と仰ってましたが、たぶん“午前十時の映画祭”のヴァージョンでしょう……のわりには既にけっこう傷みが来ていた気もしましたが。通算では3度目くらいの鑑賞なんですが変わらず面白い。

 2本目は、監督イーストウッドの代表作許されざる者。こちらは劇場では初めての鑑賞。映像ソフトも買っているのでもう何度も観てるんですが、やはりこの作品のクオリティは凄い。西部劇のエッセンスを詰め込みながらも生々しい人間感情が織り込まれ、穏やかながら緊迫感に満ちている。そして終始美しい映像。今日の上映作品ではいちばんフィルムが古く、コマ落ちも頻繁でしたが、そんなことは気にならないくらいの名作。やっぱり美しい映画は大きなスクリーンで観るべきですわ。

 トリを飾るのは、実は私にとってはこれが今日の本命だった2000年作品スペース カウボーイ』(Warner Bros.初公開時配給)。切れ切れになりつつも細々と続けていたイーストウッド全長篇鑑賞計画、残すところあと3本というところで足踏みしてましたが、先月いちど観るつもりになってやめたのは、ここで上映される、と知ったからだったのです。どうせならDVDよりも劇場で観たいし。

 作中でもユーモアとして触れている『ライトスタッフ』の老人版、という趣ですが、そこはイーストウッド、さすがの手捌きで芯の通ったエンタテインメントとして成立させている。政治を絡めつつも、巧みな人物配置でクライマックスのドラマを組み立て、展開としては月並みでもしっかりと盛り上げてくれる。宇宙での作業の描写にSF的なリアリティを盛り込みながら、ところどころで職人魂みたいなモチーフが顔を覗かせるのも面白い。こうして並べると音響のレベルが上がっているのも明白で、こちらもやっぱりまず大スクリーンで観て正解でした。

 鑑賞後は速やかに現地を離脱。起床した両親と朝食を一緒に摂ってから、ひたすらに惰眠を貪っておりました。座ってるだけですが、正直、新耳袋トークライブより、座ってひたすらスクリーンを見つめているほうが疲れるらしい……。

 さて。前述したイーストウッド全長篇鑑賞計画、残すところあと2本です。実は1本は既に手許にあり、もう1本も今月中に入手出来る手筈となっています。今月半ばは少し時間的に余裕が出来そうなので、いよいよコンプリートが近づいて来ました。

 ペースを保っていればもっと早く……と言いたいところですが、実は残る2本はどちらもこの計画の障害になっていた作品でした。うち1本については、諦めて飛ばすつもりでいたのです。それが簡単に入手出来るタイミングまで引っ張ってしまったのも何かの運命。溜まっている映画感想の宿題もなるべく早めに片付けて、年内に感想もコンプリートしてしまいたいところです。

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