4度目のシネマ・パラダイス。

TOHOシネマズ日本橋、スクリーン4前に掲示された案内ポスター。 世間はゴールデンウィーク、映画館のあるような繁華街はたいてい混雑しています。基本的に人混みはあんまり好きではない、そして平日に出かける融通の利く商売をしている人間はわざわざこういう時期に劇場に行く必要もないんですが、今年の新・午前十時の映画祭は、長期の休日には1週間で作品が入れ替わる構成になっている。ゴールデンウィークが入るこの時期はまさに1週間で入れ替えられるため、行かざるを得ないのです――まあ、幸いに私の行動半径内では、Aグループの作品をTOHOシネマズ新宿で、Bグループの作品を日本橋でかけていて、相次いで両方訪れることが出来れば1週間で2本フォローすることも可能なんですが、あんまり慌ててやるよりは、1回ぐらい我慢して人の多い中に出かけるか、と思い、今日鑑賞してきたわけです。

 このあいだの泊まり込み以来ご無沙汰の新宿にしようかしら、とも思いましたが、あちらよりまだ人出は少ないはずなので日本橋へ。今回の作品は、この映画祭では比較的新しい作品ながら既に古典の風格、映画に対する愛情に満ちあふれた傑作ニュー・シネマ・パラダイス』(Asmik Ace配給)

 何だかんだで劇場で観るのは4度目です。うち3回がこの映画祭ですから、そもそも午前十時の映画祭のご贔屓作品でもあるんでしょうが、私もこれは特に楽しみにしているのは否めない。映画をたくさん観れば観るほどに、あの終盤が沁みてくるのです。満席に近かった今日の劇場では、あの映画館が取り壊されるシーンですすり泣きが聞こえてきましたけど、私はやっぱりあの最後のシーンこそすべてを凝縮していると思う。そして、4度目になって今更ながら、映写技師のアルフレードが何故トトに対して「故郷のことは忘れろ」「帰ってくるな」と訴えていたのか、その理由についての解釈が思いついたんですが――とりあえずここには書きません。割といい解釈だと思うんですが、自分なりに解釈したほうがやっぱりいいでしょう。観た時期によって捉え方も違うでしょうし。

 ちなみに、次の作品は『ローマの休日』ですが、これも劇場で観るのは4度目なのです。名作ながら、私にとってはまあまあ好き、という程度なんですが、2度目に観た日があの震災の日だった、という事実が未だに忘れられず……まあ、3度目でトラウマは拭えたはずなので、気楽に観に行くつもりですが。

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