何だかんだでイベントに気づくとチェックしてしまう『秘密結社鷹の爪』が今年、TV進出から10周年を迎えるそうです。その記念に、観客を“株主”と見立て、“株主総会”と称したイベントが催されました。
イベントのスタートは16時。しかしチケット販売元のシステムで、当日、会場であるお台場シネマメディアージュの窓口にて座席指定券と交換せねばなりません。どうやら座席は選べるらしいので、ならば、と朝一番に会場入りしてチケットを確保してきました。
もちろん、イベント開始までにはかなり時間があります。久々のメディアージュですから、もう1本ここで観ても良かったのですが、生憎ここで掛かっている作品はもっと身近の劇場でかかっているものばかり。あらかじめ時間割とにらめっこした結果、5kmくらい離れてますが、いちばん近場であるユナイテッド・シネマ豊洲まで移動して観たほうが早い、という結論に達し、昨日の時点で決断して、プリキュアを観たついでにチケットを確保しておりました。12時50分スタートの回を選んでおいたので、メディアージュでチケットを交換したあと、昼食を摂る時間を含めても充分な余裕があった。
というわけで、昨日に続いてユナイテッド・シネマ豊洲で鑑賞した作品は、モンティ・パイソンのメンバーであるテリー・ジョーンズ監督作、突然全能の力を与えられた男の巻き起こす騒動を描いたコメディ『ミラクル・ニール!』(SYNCA配給)。
スタッフもさることながら、主演が『ショーン・オブ・ザ・デッド』のサイモン・ペッグ、声の出演としてロビン・ウィリアムズが参加している充実ぶりですから、面白くないはずがない。ありがちなアイディアを、やたらとお国柄を反映しすぎることなく、程よい毒をまぶして矢継ぎ早に繰り出すので退屈する暇もありません。着地も鮮やかで、文句なく楽しいコメディでした。いつも昼寝している時間を使っているので、不出来だと意識が落ちてしまう危険もあったはずですが、眠気を覚える暇もなかった。ロビン・ウィリアムズは生前最期に近い仕事のはずですが、そんな暗さは一切感じさせません――最後の台詞だけはちょっとグッと来ますけど。
鑑賞後は、ふたたびお台場シネマメディアージュに戻って、いよいよイベント本番です。鷹の爪のラジオ番組にも出演している鈴木あきえが司会を担当、鷹の爪総統・小泉鈍一郎と吉田くんが登壇し、挨拶からスタート。
株主総会に擬したイベントなので、まずはこれまでの10年間の事業報告をパワーポイントによるプレゼンテーション風のアニメーションで展開。もちろんちゃんと笑いも挟んできます……とりあえずFROGMNANが経歴詐称していた某コメンテーターのネタがお気に入りなのはよく解った。
2012年までの活動を総括したところで、FROGMANが登壇。ときどき何故か後ろを向く不思議な光景が繰り広げられましたがそこはそれ。
ここでふたたび2013年から昨年までの事業報告を行ったのち、鷹の爪シリーズの音楽をずっと担当してきたmanzoからのビデオメッセージを挟んで、質疑応答。そのあとの発表内容にさらっと抵触しかかる場面もありましたが、いちおう株主総会っぽくなっていたのが不思議。
そしてここから新規事業計画の発表です。今年は基本、「吉田の好きなようにやる」らしいのですが、ここで発表された企画が盛り沢山すぎて、本当にちょっと衝撃的でした。特に、「映画を4本製作する」って本気ですかあなた。FROGMAN当人も、夏に予定されている1本目がまだ脚本も何も出来ていない段階とかで、既に「無理でしょ」と言い切ってましたが。
ひととおり新規事業計画についての説明のあと、新たなゲストとして、RIP SLYMEのRYO-Z、SUのふたりが登壇。アニメ版のテーマを手懸け、今週からLINE LIVEを中心にネットで配信が始まった『鷹の爪GT』第3話でゲスト出演している縁での登場ですが、実はその前にRIP SLYMEのアルバムに収録された音声ドラマで共演しているとのこと。特別にそのドラマをアニメ化したものを上映したのち『鷹の爪GT』の、ネットでは未配信の第3話までを先行で上映。
RIP SLYMEのおふたりが下がったあと、続いて現れたのは、第2話で初登場する新キャラ・文春くん。中身は週刊文春の、本職の記者さんだそうで、今後はLINE LIVEのトークコーナーにて、芸能情報をお披露目してくれるらしい。デモンストレーション的に、鈴木あきえの情報をかるーく暴露して去っていきました。
続いて、先ほどの事業計画では触れていなかった新規パートナーの紹介。今年は、UHA味覚糖が参加してくれるとのことで、縁を結んだぷっちょと、わざわざ大阪からやって来た社長が登壇。ぷっちょがヒーローになりたがっている、という与太がありましたが、観客側としては、この日のために特別に、今月末から市場に出回る新商品を観客にも提供してくれる、という話のほうが盛り上がりました、当然ながら。
ぷっちょがえっちらおっちら退場したあと、ふたたびの質疑応答。今度は記者から質問を募集する、という段取りでしたが、誰からも手が挙がらない。むしろ、客席右側に見える巨大な代物に目が行く――今度は日刊スポーツのゆるキャラ・ブル男の登場です。けっきょく日刊スポーツの記者がブル男の声を代弁して質問する、という形で、最新劇場版でとんでもないタイアップがあるらしいが、という点を質問。吉田くんは曖昧にしてましたが、けっこう本当に驚きのタイアップが実現するかも知れないそうです。
仕上げに、新規事業の採決を行い、まあ当然ながら異論もなく承認。グッズ開発とかはともかく、劇場版新作などは完全にFROGMAN次第なので、無理のない範囲で実現してくれればいいと思う、私は。
フォトセッションの前に、実は本日が誕生日だったFROGMANを祝うため、制作会社DLEの社長に、『コフィーちゃん』や『鷹の爪』でFROGMANには演じられない女子を担当している声優さんたちも登場――したところで、まさかのトラブルが発生。
場内に火災警報が鳴り響いたのです。
上階にある飲食店付近の火災報知器が作動したため、確認が取れるまでその場で待機してください、という旨のアナウンスでした。動揺しつつも、実際指示があるまでどーしようもないので、アナウンスが繰り返される中、FROGMANが感謝の弁を述べる、という、考えてみればレアすぎるひと幕が。のちに誤報だと判明したので、ちょっとしたハプニングとして楽しんだ格好ですが、FROGMAN自身は内心「このイベントの料金、払戻になるのか?」と気が気でなかったそーです。
場も落ち着いて、フォトセッションを行ったあと、最後に鷹の爪イベントのお約束、観客全員も“鷹の爪ポーズ”に参加しての記念写真撮影をして、終了。
内心期待していた、松江怪談最新作の上映や、それに関する情報の提示がなかったのがちょっと残念でしたが、イベント後に提出するアンケートに、「どうせなら松江怪談を映画にしちゃえばいいじゃない!」という趣旨の意見を記しておきました。……冗談抜きで、それはそれでアリだと思うの。問題は取材が間に合うか、ですけど。
イベント自体が面白かったので、これだけでも満足なのですが、入場者プレゼントとして渡された紙袋には、“秘密株式結社鷹の爪”の株券にTシャツ、ピンズにクリアファイル、更に前述したぷっちょ以外にも協賛各社の製品まで詰まっている。手数料含む料金が3890円、というのはちょっとお高めかな、と思ってましたが、これだけ詰まっていれば元は充分取れてます。またこういう趣旨でやってくれるなら、喜んで参加する。
……ちなみに本日、移動はすべて自転車でした。映画やイベントの最中は座っていましたから、負担はそれほどなかったんですが、さすがにいまグロッキーです。もういい加減寝ますよ〜……。
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