3日連続のハシゴです。

 まずは昨日、夕方からの出来事。

 10日深夜は新耳袋トークライブ112の開催日です。当日の日記で触れたように、前回は父の件と重なってしまい欠席せざるを得ませんでしたが、そのぶん満喫するべく、時間つぶしの映画鑑賞はハシゴする気満々でした。金曜日の時点でチケットも確保していたので――実のところ、火曜日くらいからずっと風邪気味で少々しんどかったのですが、風邪薬に胃薬も携帯し、映画を観ること以外はなるべくムチャをしないよう心がけることにして出かけました。

 まず向かったのは新宿バルト9。昨年、東京国際映画祭で訪れて以来のここで鑑賞したのは、イギリスからの留学生アリスと、彼女を溺愛する忍を中心とする5人の日常を描いて人気を博したテレビアニメシリーズ初の劇場版、ふたりの友人・綾の目線で、忍たちの高校受験の様子と2度目の文化祭までの日々を重ねて描くきんいろモザイク Pretty Days』(Showgate配給)

 基本的にはテレビシリーズを知っている層向けの内容で、実はけっこー繰り返し観るくらい好きな私としては充分楽しめました。ただ、高校受験の頃の話が中心となっているため、アリスとカレンの出番が少ないせいか、あの突飛なノリが全体に抑え気味、しんみりした印象が付きまとってます。終盤で急に巻き返しますが、受験のエピソードとのバランスがギリギリで、人によっては物足りなさや不満を覚えるかも知れません。でも私は楽しめました。もともとメイン5人の中では綾がひいきだし。

 2本目は場所を移し、新宿シネマカリテにて鑑賞です――ちなみにここと姉妹館である新宿武蔵野館は1年近い休止期間を経て先日からリニューアルオープンしているのですが、そういやなかなか行けないな〜、と思っていたら、チケットを確保しにいくとき、間違って武蔵野館のほうに立ち寄りそうになりました。こちらは駅から直結しているので、移動しやすいのですよ……。

 鑑賞したのは、ベースの革命児として持てはやされながらも早々と凋落し、若くしてこの世を去った天才ジャコ・パストリアスの生涯を、音源はもちろん、プライベート・フィルムや関係者からの証言を用いて辿ったドキュメンタリーJACO<ジャコ>』(PARCO配給)

 知識として、ざっとその生き様は知ってましたが、一緒に演奏した人々、影響を受けたアーティスト達の証言があることで、存在感の凄まじさが改めて実感できます。本当に若くして認められ、それに相応しい才能をアルバムにて充分示しながらも、肝心のところで不運がつきまとい、一気にどん底まで落ちていく。序盤でその才能を賞賛されているからこそ、終盤での落ちぶれた姿を語る人々の姿が痛ましくてなりません。本篇をプロデュースしたメタリカのロバート・トゥルージロを筆頭に、多くのフォロワーが存在し、彼のDNAは着実に受け継がれているとはいえ、切ない結末です。ドキュメンタリーとしてはシンプルな作りながら、その人生の波瀾万丈ぶりと折々の感情を巧みに実感させ、飽きさせない仕上がりでした。音楽好きであるほうが入り込みやすいでしょうが、たぶん何も知らずに観ても興味深く観られるはず。

 ただ、鑑賞後にツイッターでも呟きましたが、どうにも気になったのは、本篇の中でも言及のあったサード・アルバム『Holyday for Pans』の行方です。スティールパンの音色に魅せられたジャコはサード・アルバムではこの楽器をフィーチャーしており、実はベースを弾かずに収録していたらしい。しかしレーベルから見捨てられたマスターは行方をくらました。しかし、のちにリリースされたこの作品では、普通にベースが聴こえてくる。一説には、他の人物がジャコの奏法を真似て録音したものを重ねた、とも言われていますが、無名時代の音源や晩年のライブ映像まで引用している本篇でこの音源からの引用がないのは、本篇の製作者達はあれを“紛い物”と判断しているからかも知れません。個人的には、本当にジャコが携わったそのままのサード・アルバムの音がちょっとでも聴けないかな〜、と期待していたので、避けた判断は理解するけどちと残念。

 趣味的な映画2本立てを満喫したあとは歌舞伎町のなかにあるうどん店でやや遅めの夕食を摂り、それから本日のメインイベントへ。

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