“超体感シネマ”を体感してみた。

 先週オープンしたTOHOシネマズ日比谷では、オープン当日から1週間限定で、ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル(字幕・超体感シネマ)』(Sony Pictures Entertainment配給)にて“超体感シネマ”での先行上映を実施していた。日比谷にはいわゆる4D上映を実施するための設備はないのですが、ソニーが新たに開発したシステムでの上映をテスト的に行ったようです。情報を知った時点でむしょーに気になり、フリーパスでも鑑賞可能、とのことなので、1週間のうちのどこかで観るつもりではいたのですが、興味を持った人はたくさんいたようで、連日、チケットが売り切れてしまい、当日でないとチケットが取れないフリーパスでは手も足も出せない。しかし、どーしても気になったもので、最終日となる今日のチケットが発売されるなりすぐに、ネット経由で有償にて座席を押さえてしまいました。

 出かけるときにちょっとまごついてしまい、自転車だと遅れてしまいそうになったので、電車で移動し、余裕を持って現地入り。スクリーンに入ってみると、各座席にやたらとゴツいジャケットが置いてある。ファスナーで前を留め、マジックテープで適度に身体にフィットするよう調整して装着する。初お披露目のシステムということもあって、上映開始前に係員が観客の前に立ち、注意喚起を行いましたが、最後にするつもりだったテストが機材トラブルによって実施できず、そのまんま上映が始まる事態に。幸い、機器は正常に動いてたようですが。

 で、問題の“超体感シネマ”ですが……率直に言って、「バイブレーションつきの映画」というだけの印象。4D上映の場合でもそうなんですが、せっかくの趣向も、演出と合っていないと効果を発揮しない。臨場感が得られるのは、ゲームの中に吸い込まれるところや、自動車やバイクに乗っているシーンくらいで、カバに囓られるくだりとか、本当にインパクトが欲しいところでは、取って付けたような印象を受けてしまう。普及している4D上映ほど大規模な設備を必要とせずに、フィクションの世界を疑似体験させるツールとして開発しているのでしょうけれど、もーちょっと繊細な表現が出来ないと、却って作品世界への没入を妨げる気がします。

 映画の内容自体は楽しかった。“ゲームの世界に入る”というオリジナルの趣向をアップデートし、おんなじことしか喋らないNPCや、2回までなら復活可能というライフ制の導入など、コンピューターゲームならではの仕組みをうまく採り入れている。また、現実世界とゲームキャラクターの特徴がまるで違う、という設定を、コメディ的にも青春ドラマ的にも活用しているのが巧い。謎解きが雑すぎるのがちょっと惜しいのですが、最後にちょっと感動もさせてくれる、立派な娯楽映画に仕上がっている。堅苦しいことを考えず、現実離れした世界に浸れるのがいいのです。

 鑑賞後、食事をどうしようか、と悩んだ結果、東京駅のほうまで歩いていって、地下街のラーメンストリートにて食べてきました……残念ながら、食べた店の味は、あんまり私好みではなかった。不味かったわけではないんですけど、私にはどうにもくどすぎた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました