今日も映画を観に行ってきたのです。何故かまたしてもアニメです。早めに観ておきたかったからの。
劇場はふたたびTOHOシネマズ上野。今日は陽気もいいし体力も時間の余裕もあるので、徒歩で出かけてきました……暑さがぶり返してきていて、陽が傾く時間ではありましたが、それでもだいぶ汗を掻いてしまった。
鑑賞したのは『夜は短し歩けよ乙女』の森見登美彦原作、街中に突如現れたペンギンの謎を追う少年のひと夏の冒険を描くジュヴナイルにして強度の高いSF『ペンギン・ハイウェイ』(東宝映像事業部配給)。
SF大賞を受賞した作品なので当たり前ではありますが、“ペンギン”という可愛いモチーフに引っかかったお子様が理解できるのか不安に思うくらい本格派のSF。シュールな状況で主人公は小学生ながら、向き合い方がものすごく科学的で筋が通っている。頭のいい少年でもいつか巡り会う不条理や、それに立ち向かうための信念をただひと夏のあいだに凝縮したみたいなストーリーが素晴らしい。しかも、おっぱいへの関心の強さとか、コーヒーへの憧れとか、自分自身に向けられる感情についての鈍感さとか、子供が主人公だからこその愛嬌もちりばめられていて微笑ましい。アニメならではのヴィジュアルも豊富で、映画的なカタルシスもある。果たして主人公と同じくらいの年の子供がどこまで理解できるか解りませんが、SFスピリットをたたえたジュヴナイルとして秀逸でした。今年観た新作アニメのなかでは間違いなくトップ*1。
観終わったあとで、「これってもしかして、あの小説を意識してないか?」と気づいたのですが、帰宅後にパンフレットに目を通したら案の定でした。ものすごく納得。小説のタイトルは言いません。内容を知っていると確実にネタばらしになるので。劇場用パンフレット大森望氏のコラムをご参照ください。
*1:古いアニメを含めると今年は『もののけ姫』『AKIRA』『PERFECT BLUE』というとんでもねーラインナップだったので……
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