『猟奇的な彼女』2回戦

 あれだけ三朗を翻弄した凜子が、何と彼と同じ下宿に越してきた。不干渉を貫いてくれればいいのに、三朗の幼馴染み・南が料理を作りに来てくれる、という状況で「ストーカーに追われている」と言い張っていちいち三朗の部屋に侵入してくるもので、その都度誤解を避けて断っていた結果、南とのあいだが却って気まずくなってしまう。悩む南に、教授が粋な計らいをしてくれるのだった……

 うーん、面白いんですが、幼馴染みキャラはちょっと余計だったかも。三朗が凜子に振り回される様子をスピーディに描くために有効に使っているのですが、正直凜子に可愛さよりも鬱陶しさを感じるレベルにしてしまっている悪要因になっている。中盤でひとまず凜子と南とを対話させて誤解を消していますが、ちょっとやり過ぎの感は否めなかった。

 だがコメディ要素はけっこう楽しい。凜子のハチャメチャぶりは原作をうまく膨らませていますし、突然『ガリレオ』のパロディを挟む呼吸もいい。谷原章介上川隆也の二枚目コメディ俳優ぶりも活きているので、その辺は理屈抜きで笑っていられます。……上川のほうはけっこういい位置づけですけど。

 序盤でのドタバタに、終盤でいちおうしんみりとした決着をつける、連続ものならではの呼吸も堂に入っている。シリーズを支えるためにでしょうが、三角関係を強調しすぎているのがちょっとイメージと違っていますが、概ね楽しいので、引き続き鑑賞しましょう。

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