『ひだまりスケッチ』第9回 9月4日 裏新宿の狼

 二学期も始まったばかりで、まだまだ暑い朝。落とした宝くじを拾ってあげたゆのと宮子は、お礼として1割分の宝くじを進呈された。もし当たったらどうしよう、と取らぬ狸の皮算用をするふたり。その日の授業、吉野屋先生はたまたま現れたかつての教え子を教壇に引っ張り出す。映像作家を志して研鑽を続ける彼女に指されて、「あなたの夢は?」と問われたゆのは、目指す者がない自分に嫌悪感を覚える……

 終盤に来たせいもあるのでしょう、久々に明瞭な主題と筋の通った構成を用意したエピソードでした。宝くじをもらったことで見た“夢”と、将来の自分を思い描くという意味の“夢”を絡めて、ちょこっと寝るときに見る“夢”もまぶした、脚本の手業が光ってます。

 相変わらず演出の実験性、作画のクオリティも安定してます――が、終盤ちょこっと微妙な作画レベルに落ちたひと幕があって、そこだけが妙に目につきました。

 余談。

 きのうはBGMをほとんどかけなかった代わり、気晴らしに録画してあったこの作品の第1話から第5話までを何気なく振り返って見ていたのです。で、途中所用などで画面を止めていて、発見したことがある。

 第2話、夏休みにゆのちが大家のお座なりな要請でひだまり荘の表札を作り直したくだり。板をヤスリがけするために、新聞紙を床に敷いているのですが、この新聞の見出し、“宮田ダムが決壊”となっている。

 ついこのあいだ、『ぱにぽにだっしゅ!』を最初から鑑賞しなおしたからこそ、「あ!」と声を上げてしまいました。何故なら『ぱにぽにだっしゅ!』第24話、あの佳境にいきなり挟まれたパラレル・ワールド編にて、涙のドミノ倒し状態に陥った宮田晶を描いていたくだりで、まさにこれとまったく同じ見出しの新聞紙が演出として登場しているのです。

 同じ監督・スタッフが関わっているからこそ出来るお遊び……ですが、こりゃさすがにそうそう気づかれないだろうなあ。しかしそう感じるだけに、見つけた瞬間、思わずニヤリとさせられたのでした。

 で、それに気づいた矢先、今回の放送では冒頭に登場したポスターにいきなりベホイミ魔法少女ヴァージョンがあしらってある始末。こら、探すとけっこうあちこちにあるんじゃないか?

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