『武装錬金』第13話　死の胎動

　歳末スペシャルで一挙２話放送だったんですが、通例に倣って１話ごとの感想を記します。

　学生達の理解を得た途端、カズキは目覚ましい強さでホムンクルスを圧倒する。さながら本当に人々から力を分け与えられているかのような成長ぶりに斗貴子は目を瞠る。だがそこへ、武装錬金を手に入れて独自に進化したパピヨンが現れる。自らを見限ったＬＸＥに敵意を燃やす彼を含め三つ巴の様相を呈するが、そんな矢先にＬＸＥの最終目的である“彼”が覚醒した――！

　前半は混戦模様を描き、後半はパピヨンVS.ドクトルバタフライ中心と明瞭な構成でひたすらバトル中心の１話。しかし後半は和月作品の悪い癖をそのまんま反映して、ドクトルバタフライとパピヨンの際限のない台詞のやり取りが続く、妙に落ち着きの悪い仕上がりになってしまいました。そして全体に演出が平板な印象だったのもマイナス。あまりにも全篇マジすぎて、誰ひとりボケる余裕がなくギャグが皆無だったのもちょっと気になる。いや、パピヨンの言動はツッコミどころ盛り沢山で笑えるといや笑えるんですが。

　が、相変わらず平均値は高いので、色々と腐しつつも素直に楽しんでいられる出来であるのはいつも通り。それにしても、この時点ではカズキはまだ正統派ヒーローの道を行く選択肢もあったのだなあ。“あの人”の存在のために根本的に叶わなくなってはいるのですが。