父・鉄馬の痕跡を辿ってアカネ(堀北真希)が赴いたのは下関。かつて心太(塚本高史)の実家である料亭で働いていた福美(遠山景織子)が、この下関を代表するふぐ料亭・ふくよしの跡継と結婚し、女将に収まっていた。だが、例によって西豪寺エレナ(片瀬那奈)の手のものが新規開店したふくふく亭によって料理人が一斉に引き抜かれ、客足も遠のき経営が立ちゆかなくなっている。エレナはそんな福美にふぐ料理対決を提案しており、アカネは勝負に手を貸すことに――
うーん、とうとうアカネのキャラクター造型までがぶれてきた。鉄火肌の女の子という設定はあったものの、これまで喧嘩っ早いなんて描写はなかったのに、いきなり仲裁即喧嘩腰、なんてのは不自然極まりない。ギャグにしてもあまりに寒い。もともと陳腐なギャグの多いドラマでしたが、今回は特に総じて痛々しいネタばかりでした。
で、ギャグに徹したいならそうすればいいのに、心太が決意を打ち明ける前後の描写はシリアスすぎて前後の画面作りから思いっ切り浮いてしまっている。アカネもそうですが黒金(陣内孝則)もやっていることがぶれすぎで、後半に黒金がアカネを唆す場面は恐らくシリーズ後半に明かされる彼自身の真意が含まれているのでしょうけれど、商売絡みの行動はギャグにしてもやりすぎですし、そもそも正体不明であることの面白さが話のなかで活きてないのだから仕方ない。
しかし、そのぶん唯一キャラに筋が通っているエレナがいいスパイスになってきました。真性の馬鹿お嬢様っぷりを披露しつつ、クライマックス手前でアカネに対して発した台詞などがちゃんと効いてくるのは、ぶれていないからこそ。
まあそれ以前に何ら説得力のない店同士の力関係とかふぐ料理対決イベントとか言動がごく行き当たりばったりの嵐山(竜雷太)とか、狙っているという言い訳では済まされない人を舐めた話作りが相変わらずなので、その辺割り切ってやっと楽しめる程度の出来であるのは同じなのですけど。従来とはちょっと違う堀北真希が見られるだけでいいか、と己を誤魔化しつつ来週に続く。
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