『エンジェル・ハート』第37話 汚れのない心

 冴子を虜にしてしまった座敷童――美樹に、今度は海坊主が出逢い、冴子同様骨抜きにされてしまった。冴子のマンションに張り込み、機敏な美樹を追跡した香瑩は、ようやく彼女が閉鎖された地下街でひとり暮らしていることを探り出す。美樹は、ここで彼女を育ててくれた母親が戻ってくるのを待っていたのだ――既に死んでいることを理解せずに。

 一部の演出や、ロングショットでの動きはぎこちなさが目立ちますが、アップの表情とシナリオの精度はなかなか優れた1話でした。線を多めにした作画に足を引っ張られがちになっているのを承知で、せめてアップにしている箇所だけでもきちんと描こうとしている態度は評価したい。

 演出面でも、尺の調整に失敗している嫌いはありますが、暗転やモノローグを駆使した場面の繋ぎ方、明暗の処理にはなかなかセンスを感じました。作画の質さえ整えば大化けする可能性を感じるんですが……それが出来ないからここまでグスグズのまま来てるんだろーなー。

 前に、妙なタイミングで海坊主が涙していた箇所を批判したことがあります。今回も泣いていましたが、この場合は話の方向性に相応しく、かつ基本的にギャグとして処理しているので問題なし。

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