今月は本格ミステリ作家クラブの企画上映『美女と探偵』まで始まっててんやわんやですが、だからこそ押さえねばならないのが大成龍祭2011。『美女と探偵』を優先するとなると、スケジュールの都合で確実に観られない回がいちど、また某イベントとの兼ね合いで移動が辛そうな回がいちど、今月は発生しているので、半券20枚で貰えるスペシャルDVDを手に入れるためには、他に予定がかち合わない今週はどーしても外せない。というわけで、金曜日時点で既にチケットを取ってありました。
当初の天気予報では今日いっぱい保つという話でしたが、今朝になってにわかに一時雨の予報が加わったので、大事を取って電車にて移動。
上映開始は19時15分からですが、出かけたのはだいぶ早い時間でした。というのも、このところ午前十時の映画祭を中心に、イベント上映を押さえるのに必死で、なかなか封切り映画が観られなくなっているので、少しスタートが遅いなら、早めに現地入りして、1本余計に観よう、と思ったのです。
作品は予め決めてあったのですが、当日になって、どーせなら午前十時の映画祭《赤の50本》のほうを鑑賞しておいて、あとのスケジュールに余裕を持たせるのもアリではないか、と思い、ひとまず有楽町へ。JRの駅からTOHOシネマズみゆき座に向かうと、途中でマリオンを横切るのですが、そこでまた、ふ、と思った。そーいえば当初ハシゴするつもりだった映画は、マリオンに入っているTOHOシネマズ日劇でもかかっている。もし上映時間の具合がいいなら、六本木よりも大きなスクリーンを利用しているこちらで鑑賞してもいいのではなかろうか。そう考え、窓口で予定を眺めてみたら、実に都合のいいスケジュールだったので、結局こちらに決定。
前置きが長引きましたが、そんなわけで大成龍祭2011のついでに鑑賞したのは、フィリップ・K・ディックの小説をもとに、運命を調整する人々の姿を偶然に目撃してしまった男を描いたSFサスペンス『アジャストメント』(東宝東和配給)。
原作は未読です、がまあたぶんかなり違うんだろうなー、と察せられる内容。でも途中までは非常に面白いし、あれ以外に落としどころがなかったのも事実で、私はおおむね評価します。問題はむしろ、恐らく映画オリジナルであろう“どこでもドア”という設定の奇妙さ。なんであーいうふうに繋がってるのかとか考えてないだろ。
鑑賞後はすぐさま六本木へ。開映まで1時間ほどあるので、電源が使用できるお店でノートパソコンを起動して少し書き物をしてから劇場へ。今回もステッカー貰えました。これで3枚目。
今週の大成龍祭2011上映作品は、またしてもロー・ウェイ監督作品、絡みあう憎悪と因縁を描いた『龍拳』(東映配給)。
正直、もうロー・ウェイ監督はもう懲り懲り、と思いつつも、とりあえず観ておくか、程度で鑑賞したのですが――この監督の作品の中ではいちばん出来が良かった。要素はほとんど既出なのですが、うまく構成することで巧みに感情を揺さぶり、結末のカタルシスも鮮やか。やっぱりジャッキーの個性は活かされていませんが、闇雲に殺しを働くわけでもないし、葛藤も滲んでいるので、これまでよりは存在感を増している。ジャッキーが他のスタッフと作りあげた映画のいいところも拝借しているきらいはありますが、それでもまとまっているので決して悪い印象は受けません。ちょこっとだけロー・ウェイ監督見直しました。ちょこっとだけ、ね。
劇場を出ると、曇天ながら雨が降る様子はなし。結局移動中ほとんど雨に降られることもなく、これなら自転車でもよかったかなー、と思いながら帰途に就き、自宅最寄りの駅を出てみると――見事に降っていました。はじめからノートパソコンを持ち歩くつもりでいたことを思うと、電車を利用したのは間違いではありませんでした。
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