本日は久々に映画絡みでないイベントのために六本木へ。……さすがに自転車は使いませんでした。遠すぎるのもそうですが、今日はかなりの高率で雨が降りそうだったので。
イベントの開始は15時でしたが、どーせなら昼食も近くのうどん屋で食べよう、と思い、日曜日で混雑するだろうと考えて、13時には現地入り。が、ひとりで訪ねたのが幸いしたようで、ほとんど待つことなくカウンターに通されました。そりゃまあ、休日の六本木にひとりで来る奴のほうが珍しいだろうしねえ。料理が出て来るまでは若干かかりましたが、それでも14時にすらならずに食事が済んでしまいました。
食事のあと、まずはイベントの催される青山ブックセンターでお買い物。購入したのは以下の通り。
- ジャック・カーリイ/三角和代[訳]『デス・コレクターズ』 [amazon]
- サイモン・カーニック/佐藤耕士[訳]『ノンストップ!』(1と2、文春文庫/文藝春秋) [amazon]
- 杉江松恋[編]『名作時代小説100選』(アスキー新書093/ASCII MEDIA WORKS) [amazon]
- 法月綸太郎『犯罪ホロスコープI 六人の女王の問題』(光文社文庫/光文社) [amazon]
六本木ヒルズの映画館でちょっと確認をしたあとは、近くのタリーズコーヒーで時間を潰す。新しいスワークル、なかなか美味い。そして15時に青山ブックセンターに戻って、イベント観覧。
本日のイベントは、評論家・作家の杉江松恋氏がここで不定期に開催しているトークイベントの第3回、今年度の本格ミステリ大賞にて、ここ10年に発表された海外本格ミステリのベストに認定されたジャック・カーリイ『デス・コレクターズ』と彼の著作について、選考に携わった法月綸太郎氏と川出正樹氏を招いて語る、というもの。カーリイ作品は未読、というか実は入手もしていなかったのですが、顕彰以来気にかかっていたので、購入ついでにその魅力を聴かせていただきましょう、と思い参加してみたわけです。
最近読書量は減ったものの、法月氏や川出氏が挙げた、他の表彰候補作はマイクル・コナリーにジェフリー・ディーヴァー、そしてマックス・アラン・コリンズなど頷けるものが多いのに、カーリイに与えるに至ったのは、そもそも第1作『百番目の男』の意外な出来が注目されたのちに提示された『デス・コレクターズ』の丹念さに驚かされた、というのが大きいようです。経歴もほとんど不明なので、どのような過程を辿ってこんな作風を身につけたのかは謎らしいのですが、一発屋のように思わせて、実は非常に頭のいい作りになっている。『百番目の男』こそ最後の仕掛けで唖然とさせたものの、『デス・コレクターズ』は往年の名作をも彷彿とさせる描写や伏線があり、しかもちゃんと謎解きをしていることが高く評価されたとのこと。話を聞くといよいよ読みたくなってきましたが――なんか『百番目の男』のほうにすんごい惹かれます。でもとりあえず、受賞作である『デス・コレクターズ』を先に買ってしまったので、こっちを読み終えてから手をつけます。
しかしこのジャック・カーリイという方、実に愛すべき人物のようで、今回のイベントについて知らせたところ、参加者のためにプレゼントを用意してくださった。それぞれに絵柄も文面も異なるメッセージ・カードに、デビュー作『百番目の男』に登場する謎の言葉をあしらった“証拠品”を封入した袋。前者は数か限られているので抽選になりましたが、後者はほぼ全参加者に行き渡る数で、私もちゃんと頂戴しました。作風があまりにアメリカ向きでなかったせいか、アメリカ在住にも関わらず最新第4作はイギリスとオーストラリアで刊行されている、という不思議な経緯を辿り、本格ミステリ大賞で表彰された際も「私はアメリカにいますが、心はあなた方と共にある(大意)」という粋なメッセージを届けてくれるなど、言動がいちいち愛らしい。まだ本篇は読んでますが、何とか買い支えてあげたい、という気分になります。……とりあえず、早いうちに『デス・コレクターズ』を読まないと。
本格ミステリ大賞での座談会の様子が載っている『ジャーロ』最新号を購入すればお三方からサインを頂戴できる、という話でしたが、あいにく私はそんなこととは知らずに先に本を買ってしまい、いま『ジャーロ』まで買うとあとあとまずいので、法月氏には4に、杉江氏には3にサインを頂戴して離脱。川出氏にも戴きたかったのですが、『ジャーロ』という妥当な素材があったというのに、解説を書かれている2にサインしていただくのはなんか申し訳なくなってしまったのでした……。
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