当初、土曜日は墓参りに出かける予定でした。が、ご存じの通り東京では外出自粛の要請が出てしまった。行き先は広大で人気が乏しく、供花や線香は予め用意しておけば第三者と接触することもないので、いっそ出かけてしまおうか、とも言っていたのですが、けっきょくは大人しく蟄居することに。
素直に作業に時間を費やしてもいいのですが、どーせ家にいる、と決めたのなら、買ったはいいけどなかなか鑑賞出来なかった映像ソフトを消化しよう、と思い、何本か引っ張り出してきた。そのなかから、いちばんヘヴィだったものを、休憩を挟みつつ鑑賞。
選んだのは、スティーヴン・スピルバーグ監督1998年の作品、ノルマンディー上陸作戦のさなか、最前線に送りこまれた落下傘兵を送還する、という任務に赴いた兵士たちの姿を描いた『プライベート・ライアン』(UIP Japan配給/Paramound Japan映像ソフト発売)。鑑賞したのは2012年にリリースされた2枚組のブルーレイ版です。
実は何度か鑑賞しようとしたことがあるのですが、毎回30分ほどで挫けてました……あまりにも冒頭の戦闘描写がヘヴィすぎて。ただ、通して鑑賞すると、この序盤があるからこそ、その後随所で展開する壮絶な戦闘に気を奪われることなくドラマを味わえる。立ったひとりを救うためにまたひとり、またひとりと命を落としていく理不尽、それでもそのなかで戦うこと、生き延びることに意味を見出そうとする男たち。理不尽を受け入れ果敢に戦う者がいる一方で、反発しながらも銃を手に取る者も、けっきょく勇気を振り絞ることが出来ない者もいる。極限状況でのリアルをとことん突き詰めた、確かに圧巻の傑作。
……正直、これも自宅のモニターではなく、大スクリーンで味わいたかったですね。来年から再開する午前十時の映画祭では拾ってくれるでしょうか。これを採るなら、『シンドラーのリスト』のほうが先になるのかしら。
コメント
[…] 原題:“Saving Private Ryan” / 監督:スティーヴン・スピルバーグ […]