状況証拠だけで犯罪は立証出来るのか?

 なんだかすっご~く久方ぶりに映画館に行った気がします……昨年の緊急事態宣言のときのように営業休止していたわけではないのですが、集客数の低下を考慮した延期が相次ぎ、大作や期待作が軒並み先送りになってしまったせいで、琴線に引っかかる作品が減っている。ミニシアター系は比較的コンスタントに入れ換えが行われてるんですが、そっちばっかり足を運ぶのもなんとなく躊躇われたりして、そんな逡巡を挟んだ結果、ほぼ2週間ぶりの映画館詣でと相成りました。そのあいだも、配信やレンタルで鑑賞してるので、それなりに渇は癒やしてましたが。

 本日の劇場は新宿武蔵野館。今月は5日の『ダニエル』に続いて2度目です。ここに足を運ぶなら、移動はバイク、駐めるところもほぼ決まっている……なんか“調整中”で一部閉鎖されていて、危うく弾き出されそうでしたが、間に合ったので問題なし。
 鑑賞したのは、2000年にひとりの女性が家族を残して失踪、その夫が状況証拠のみで逮捕され、同年と2010年の2度にわたって裁判にかけられた、という実際の事件をベースに描く法廷ミステリ私は確信する』(cetera INTERNATIONAL配給)
 非常に面白かった。実在しない人物を視点人物として再構成されているようですが、しかし恐らく、監督や実際に裁判に携わった弁護士(現在フランスの法務大臣だそうな)が訴えたい点を明確に描き出すための趣向であり、実に見事に成功している。スリリングな謎解きに見せかけて、違う側面から観る者を揺さぶり、最後に叩きつけるクライマックスが圧巻。このくだり、個人的にも近年引っかかっていたポイントを的確に射抜いてくれたので、実に痛快でした。
 どうしても解りづらくなりがちな裁判劇を、架空の人物に情報を集約することで理解しやすくし、プロの目から見ても納得のいく表現で法廷をテンポよく描きだし娯楽性も押さえている。本国では口コミで評判を伸ばしていったそうですが、なるほど渋めですが軽快さも厚みもある傑作。

 鑑賞後、まずは麵屋海神に立ち寄って昼食。人気店なんですが、私が立ち寄ったときはけっこう座れることが多い。しかも着丼も異様に早い。かと言って空いているわけでもなく、私がいるあいだに満席になり、しかも列も出来てるくらいなんですが、これは「相性がいい」と言えるのでしょうか。味も分量も私にはちょうどいいので最近とくに贔屓にしてますが、この感じだとかなりこまめにお世話になりそうな予感。
 食事を済ませると、甲州街道を通って新宿駅西口方面へ。昨年に西口へと移転したアニメイトを、ようやっと訪ねてきました。
 ……遠いな。
 前は紀伊国屋書店新宿本店の裏手、つまり東口寄りだったのが、ほぼ真反対。新宿のアニメイトを利用するときはたいてい映画鑑賞のついでだったのですが、西口には映画館が皆無で、立ち寄るきっかけが今までなかったのです。ふだん利用しているバイクの駐輪場は南口の下あたりで、ここからならさほど歩かずに済むかな~、と思ってたら、けっこう距離がありました。改めて、新宿駅の東西の移動はけっこうしんどい。
 店舗自体、小田急ハルクの5階にあるので、建物に入ってもまだ移動がある。アニメイトまで辿り着けば、売り場がすべて同じフロアにあるため、そこからは上下の移動を省けるのは助かるけれども……やっぱり、自宅からもっと近場の店舗を利用するほうが現実的らしい。
 予定していた本を無事に購入すると、来たのと同じルートを遡って駐輪場に戻り、バイクを出して家路に就きました。やや疲れましたが、やっぱり外に出かけると気分的にスッキリする。未だ緊急事態宣言下とは言い条、気分転換のお出かけは必要なようです。

コメント

  1. […] 原題:“Une Intime Conviction” / 監督&脚本:アントワーヌ・ランボー / 脚色:アントワーヌ・ランボー、イザベル・ラザード /  […]

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