さよなら、私の愛したスパイ。

 東京は台風一過の好天。さすがに今日は出かけます。昨日は、あそこまで降っているのでなければ傘を差して電車で移動するつもりでしたが、この陽気ならば久々にバイクが使える。このところなかなか乗れなかったので、これはこれでありがたい。
 向かったのはTOHOシネマズ新宿。近場で安値の駐車場が空いていたので、わりあい朝の早いスケジュールでしたがいいタイミングで劇場入りできました……たぶん、これからまた駐車場は使いづらくなるんだろうなあ、人出が増えて。感染者数の減少は何よりですが、隣に一席必ず空いてる気楽さを覚えてしまったので、そこがちと残念。前よりも時間の融通が効くようになったことを活用して、作品によって混雑を避けるよう工夫しないと。
 鑑賞したのは、例によってこちらもコロナ禍により度重なる延期を余儀なくされていた期待の超大作、ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンド第5作にして最終作、いちどは引退したボンドが自らの過去とも共鳴する敵と対峙する007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(字幕・IMAX with Laser)』(東宝東和配給)。あまりにも待望すぎて、後回しにしたくなかったのです。
 ……大満足でした。プロローグの時点から激しいアクションが相次ぎ、矢継ぎ早にスパイ映画らしいトラブルと戦闘の繰り返し。ダニエル・クレイグ版のシリーズを支えた第2班監督アレクサンダー・ウィットは今回もいい仕事してくれてるようです。
 単独でも、こまめにユーモアを挟みつつ繰り出される派手なアクションとスリルに魅せられっぱなしですが、ドラマとして見た場合、ダニエル版は前作のストーリーを受け継いだ作りが特徴であり、本篇はその総決算の感が強いので、旧作を観ているほど味わい深い仕上がりです。Mとの信頼と反発が入り乱れた関係性に、身勝手なボンドに振り回されつつも仕事をこなすQやマネーペニー。そして何より、『007/スカイフォール』以降描かれてきたボンド自身の来歴、過去との対決、という構図が、激しいアクションと重ねて紐解かれていく様が圧巻。
 意外、と言っては失礼ですが、前2作でシリーズの映像的なクオリティを高めたサム・メンデス監督に劣らないほど構図が素晴らしい。より動的になりながらも整理されて、更にバージョンアップされた感があります。終始、絵になっている。
 個人的には初めてすべてリアルタイムで鑑賞したボンドであるだけに思い入れもひとしおで、名残惜しいものがありますが、締め括りとしてもこれ以上ないくらい素晴らしい出来。コロナ禍のせいもあって余計に待たされましたが、そのぶん膨らんだ期待にもしっかり応えてくれました。お疲れさまダニエル・クレイグ。これからはしばらく、ポワロ風名探偵で楽しませてくれることを期待したい。

 鑑賞後は、新宿東宝ビル裏手にある焼きあご塩らー麺 たかはし 歌舞伎町店にて昼食。ここで定番の焼きあご塩らー麺に岩のりをトッピングしていただくのが個人的ベスト。この組み合わせだと、スープも最後までいただけてしまう……私の身体のコンディション的には良くないんだけど、ちょっと多すぎるくらいの岩のりを楽しもうとするとこーなってしまう。ここでしかやってない、というか出来ないので許してくれ。
 行きはまだ人出は少なめでしたが、帰りはだいぶ増えている。車道も微妙に通行量が増えている。緊急事態宣言が明け、台風も通り過ぎて、世間が動き出した感があります。これが続けられますように。混雑は自分で工夫して付き合っていきますんで。

コメント

  1. […] 原題:“No Time to Die” / 監督:キャリー・ジョージ・フクナガ / キャラクター原案:イアン・フレミング / 脚本:ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、キャリー・ジョージ・フクナガ、フィービー・ウォラー=ブリッジ /  […]

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