本日、初めてキネカ大森を訪れました。新作に加え近年の注目作をかける“名画座”スタイルでの上映も行っている小屋ですが、4年前から“ホラー秘宝まつり”と題し、厳選されたホラー映画の傑作群に加え、新作邦画もまとめて上映する企画を催している。前々から関心はあったのですが、今年はあの“新耳袋Gメン”の新作がかかる、と知り、初日舞台挨拶つき上映のチケットを早々とゲットし、赴いた次第。
移動は電車です。初めての土地なので万全を期して、というのもありますが、天気予報によると、帰りの時間帯に雨が来る気配が濃厚だったので、バイクは避けたのです……訪れてみると、劇場は西友と同じビルに入っていて、施設の周囲には24時間利用可能なバイク駐輪場が用意されている。バイクで来たかった……電車賃と比べてもかなり安上がりだったし……。
舞台挨拶は本篇上映の前に行われました。登壇したのは不動のキャップ、『映画秘宝』の田野辺尚人氏に制作会社社長・後藤剛氏、プロデューサーの山口幸彦氏という固定のメンバーに、今回新たな監督として加わった新鋭・佐藤周氏に、本篇のなかで1箇所の取材に同行している映画監督・特殊造形作家の西村喜廣氏という面々……司会の方が女性であったのが救いになるくらい野郎だらけ。
しかも、山口氏と西村氏は酒持参で、既にアルコールが入っている状態。ネタばらし寸前の話も含めてけっこうぶっちゃけまくる。実は監督が佐藤氏に決定する前に、旧作の監督陣にオファーをかけてことごとく断られた、というのがいちばん衝撃的でしたが……。
杖なしでは動けないくらいボロボロだけど喋り出すとエネルギッシュな田野辺キャップの、この企画に対する情熱も窺える、楽しい舞台挨拶でありました。ちなみに西村氏は何故か卒塔婆持参でしたが、その理由はちゃんと本篇で明らかになります。
そしていよいよ本篇、『怪談新耳袋Gメン復活編』(Brownie配給)です。
挨拶で語っていたとおり、怪奇スポットへの本気の殴り込み、というスタンスは不変ながら、色々とテイストが違う。心霊バラエティっぽさはだいぶ薄れ、細かに笑いを誘いつつも、怪奇スポットの異様さ、不気味さ、そこで行われる取材の様子そのものに焦点を当てた、ドキュメンタリー的な味わいが強まっている。直前の挨拶でいささかあおりすぎたせいで、個人的にはちょっと物足りなかったのですが、シリーズ当初の精神に立ち戻った、いい仕上がりだと思います。
上映終了後、ロビーにて登壇者が観客の写真撮影に応えてました。なかなか動かない観客相手に、山口氏が「ギンティ小林抜きでもいけますかー?」と問いかけているのがおかしかった。いけると思います――というか、彼が外れた分、脱線が少なくなったことも、本来のスタイルに回帰させる結果に繋がっていると思う。私はこの面子、このスタイルでの次回作に期待します。
上映終盤くらいから少々具合が悪くなってきたので、ロビーでの延長戦もそこそこに私は現地を離脱。車中で『ブラタモリ』を視聴しつつ、意識朦朧で帰宅しました……対処は解っている不調なので、現在は復調しているのですが、もーちょっと劇場に居残ってたかった。
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