レンタルDVD鑑賞日記その517。

 このあいだ鑑賞した、新しい怪奇ドキュメンタリー・シリーズの第2巻。平穏な昼食時に目撃した奇怪なモノの恐怖を追った“彼らはそこにいる”、女性の入浴中の楽しみが思わぬ恐怖に晒される“風呂スマホ”、異次元に飛ばされてしまった男性がそのきっかけとなった廃墟を再訪する前後篇“世界線廃墟 完結編”など全8篇を収録。

 この手のドキュメンタリーとして珍しいのは、材料を動画に限っていないこと。“風呂スマホ”と“鬼女”というエピソードはきっかけが写真で、あとは体験者への取材で補っている。動画だけにターゲットを絞っているともう頭打ちだ、という判断があるのかも知れません。“風呂スマホ”では再現映像めいた映像も挿入していて、ドキュメンタリーとしての見応えは増してます……(後ろ姿だけだけど)裸の女性を出して目を惹く、というあざとい意図も多少含まれてるかも知れませんが。

 前巻から続いている“世界線廃墟”の決着にかなりやりすぎのイメージはあれど、怪奇ドキュメンタリーとしては決して悪くない出来です……が、とにかく引っかかって仕方ないのは、「これのどこが《意味怖》なんだ?」という点だったりする。

 普通《意味怖》というと、何でもない出来事のようだけど実は怖い裏があることがあとで解る、とか当初の印象と異なるところにポイントがある、という類のものを言うはずなんですが、1巻も2巻も、そういう意味での《意味怖》なエピソードは収録されていない。取材を重ねていくにつれて、昔から同じようなことが起きていた、とか、こういうものが撮れた背景にこういう出来事があった、といった事実が炙り出されていくのは面白くはあるんですが、それは《意味怖》ではなく、むしろオーソドックスな怪奇ドキュメンタリーと言っていい。内容的にはけっこう見応えがあるだけに、合っていないタイトルがどうももったいなく思えます。

 巻末の“高い女”のエピソードが《3巻に続く》となっているあたり、スタッフは続ける意欲があるようです。少なくとも内容の面白さ、という意味では信用できるので、続巻があるなら観たいとは思いますが……やっぱりタイトルは変えた方がいいと思う。

 ちなみにこの作品で演出補を務めている方、来月よりテレビ東京系で放送される『世界の闇図鑑』の演出担当に名前が挙がってます。

 ……続巻で、彼の扱いがどうなっているのか、そこはちょっと楽しみだ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました