きのうから、第26回東京国際映画祭が始まっております。色々言われつつ、東京で開催される大きな映画祭ではいちばん参加しやすいイベントなので、例年幾つか選んで足を運んでおります。今年も3作品のチケットを予め確保しているので、相変わらずバタバタしている状況ながら、やりくりして訪問します。
このイベントの期間は、劇場内だけでなく、ヒルズの随所が模様替えをしているので、早めに現地入りして、周辺を眺めて歩いてきました。以前はメトロハットから上がったところの支柱に各作品のポスターの縮小版が掲示されていたり、ウォーターウォールにも出品作の一覧が描かれていたりしていたのですが、今回は別の企画が同時進行になっていたからか、その周辺には大看板のみ。ちょうど劇場真下の広場にイベントコーナーとともに作品一覧が展示されていました。……しかし、この作品群に紛れ込んだ『ドキドキ!プリキュア』の違和感たるや、並ではありませんでした。これのチケット、えらい早々と捌けていたようなんですが、いったいどういう客層が入ってるんだろう……普通に、早く観たい子供たち及び大きなお友達? 確かめたいんですが、日曜日は用事があるので、その兼ね合いもあって参加不能なのです。
劇場内に入ると、エスカレーターの前に何故かウルトラマンが待ち構えていた。そしてエスカレーター上にはバルタン星人。どうやら今回、『ウルトラマン』の最新HDリマスター版を出品していて、その関係で展示されているようです。本篇上映前のCMでもリマスター版Blu-rayの宣伝が入ってました。……ちょっと本篇も観てみたい気がしましたが、これを書いている現時点でもう上映が始まっていたりする。
さて、私にとっての第26回東京国際映画祭最初の1本は、コメディ出身の監督・俳優であるリチャード・アイオアディ*1監督の長篇第2作、ドストエフスキーの小説をもとに、自分と瓜二つの人間に存在感を蝕まれていく男の姿をシュールな趣向とブラック・ユーモアに彩って描き出したSF調サスペンス『ザ・ダブル/分身』(日本配給未定)。
内容説明に惹かれただけで、これといった知識なし――原作にも触れずに鑑賞しましたが、これはけっこう好き。時代背景の定かでない空間で鬱屈した日々を送る男の姿を、随所でニヤリとさせる描写を盛り込みつつ見せていく。どんどん不条理に繰り広げられる物語が、伏線をちゃんと組み込んだ描写で巧く締めくくられている――んですが、色々とほったらかしている点が多いので、“サスペンス”として捉えるといまひとつ釈然としないかも。私は、思い入れのある某映画を彷彿とさせる締め括りがちょっと嬉しかったり。しかしこの作品、何よりも驚くべきところは、挿入曲として何故か日本の歌謡曲が選ばれていること。別に強くリンクしているわけでもないのに、突然日本語の歌詞が聞こえてくるとたまげます。
鑑賞後は毎度の如くうどん屋に立ち寄って昼食を摂り、いつもよりも少し遠まわりをしてのんびり帰宅……なお、この映画の感想は、諸々落ち着いてから仕上げます。いまのところ日本での公開は決まってませんから、急がなくていいよね。
*1:映画祭のサイトなどでは“リチャード・アヨエイド”と表記されてますが、どうもこっちのほうが発音に忠実っぽいので、私はこちらを選びました。
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