爆笑問題withタイタンシネマライブ#20、の前にもう1本。

 今年はけっきょく全回参加してしまった爆笑問題withタイタンシネマライブ、ここまで来ると可能な限り付き合いたい、というわけで、今年最後となる回もさっさとチケットを押さえてしまいました。

 が、それだけのために出かけるのもアレなので、その前に1本、観ておくことに。六本木ではいまひとつスケジュールの噛み合う作品が見つからなかったので、銀座に寄り道しての鑑賞です。

 色々考えた挙句に訪れたのは、銀座テアトルシネマ。作品は、名優にして名匠ロバート・レッドフォード監督作品、リンカーン暗殺犯として捕縛された女性と、ジレンマに襲われながら彼女を弁護する若き青年の姿を落ち着いた、しかし熱い筆致で描いた声をかくす人』(Showgate配給)

 レッドフォード監督で、しかも選球眼に優れたジェームズ・マカヴォイ主演ですから、すごく期待してましたが、期待通りの完璧な作品でした。義憤に駆られた人々の視野の狭さを剔出し、当初は彼らと同じような目で被疑者を見ていた青年が、いつしか果敢に弁護に臨んでいく姿が、虚しくも雄々しい。これは、よく描かれていたのとは違う差別問題を扱った作品であり、その向こう側にとてもシンプルな絆を描き出そうとした作品でもある。歯応えのある名品でした。実は今日、観たかった作品が最終日を迎えることも知っていたのですが、タイミングによってはこっちも見逃す恐れがあったので、思案した結果こちらを選びました。あちらが駄目な作品だとも思いませんが、とりあえず後悔はない。スクリーンで観ておいて良かった……それに、この劇場も来年には閉めてしまうので、出来る限り上映作品を追いたい、という気持ちもありましたが。

 鑑賞後は、また1件、ちょこっとだけ用足しをして、それから六本木へ。前回、東京国際映画祭とかち合ったために、記念すべき回だったにも拘わらず六本木では上映がなく、わざわざ川崎まで足を伸ばしたものですが、今回はもとに戻って助かりました。

 シネマライブとしては今回こそ記念すべき20回目ですが、しかし内容は平常モードに戻った感じ……その一方で、タイタン所属の芸人が、ちょっと荒れていた気がします。いつも通りなのですが、空回りが著しかった。特にゆりありく、りくはやたら機嫌が悪く、ゆりあがフォローするも、当人も途中で咳が治まらず、けっこう大変なことに。最終的に何とか収めていましたが、りくは終演後の舞台挨拶でも不機嫌だった模様。

 ゲスト陣のほうは逆に安定したクオリティ。最近露出の増えたニッチェは圧巻の不細工ネタで刃を引き締めたかと思えば、水谷千重子――というか友近はお馴染みの大物演歌歌手ネタで盛り上げる。私は実は今日まで名前さえ知らなかった風藤松原も、ちょっとミスしつつそれを意識させないテンポの良さで魅せてくれました。前に『容疑者、ホアキン・フェニックス』のイベントでお目にかかったマキタスポーツは、今回初めてちゃんとネタを見ましたが、こちらも毒のある歌ネタが秀逸。爆笑問題も、次の火曜日にふたり揃って手術の予定、というコンディションながら、素晴らしいまでの安定感できっちりとまとめてました。

 ……それにしても長井秀和。本当にこのひと、もうテレビに出る気はないんでしょうか。すっかりお馴染みのあのネタを、あまりにタイムリーな今日、より強烈に畳みかけてくる、という。しかもそのくせ、舞台挨拶のときに持ち出した宣伝は、「社交ダンスの大会の決勝に進みました」という――いったい何なんだあなたは。

 次のシネマライブは来年、2月8日。もうすっかりクセになってしまったので、次回も何とかやりくりして訪れるつもりです。

 と、夕方以降がみっちり詰まっていた都合上、映画感想を書く余裕はありませんでした。明日もそんな暇があるのか怪しいのですが……まあ、頑張った結果、だいぶ宿題は減ったので、2、3日ぐらい休んでもいいよね。いいよね?

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