『イノセント・ラヴ』第五話

 耀司が記者の池田を襲い、彼のパソコンをいじって逃走した。池田の傷は浅かったが、6年入所したあとの再犯はマスコミの注目を浴び、佳音は格好の餌食にされる。アパートの大家からは改めて出て行くように通告され、殉也の元にも顔を出せなくなり、佳音はいよいよ追い詰められていく。だが、殉也は佳音のそうした背景を知ったうえで、連絡に応じなくなった彼女の行方を捜し始める……

 ……うーん、序盤から不自然なポイントはありましたが、回を追うごとにその比率が増してます。耀司が記者を襲うくだりのシチュエーションの無理もそうですが、今日日は人権や周辺住民への配慮という観点からあそこまで関係者の住宅にマスコミが迫ることは稀ですし、またそもそも追われるようにして郷里を出て来たような女性が、今どき家に固定電話を置くことはたぶんありません……と思ったんですが、もしかしてそこは兄の身柄を引き受ける必要から設置したんだろうか、とあとで気づきました。でもそれならそれで、やっぱり保護司と遠い印象があるのが納得できないんだよなあ。とにかく、個々のパーツが古いタイプのソープドラマの枠に嵌っているのが気に懸かる。ソープドラマでも私には文句はないんですが、もうちょっと時代性や、現代ならではの工夫が欲しい気がします。パソコンや携帯電話が出てくるだけではいまいち足りない。

 という細部への文句はともかく、話はかなり本格的に動いてきたので、これまでよりは惹きこまれるものがあります。正直、佳音の過去を探るくだりは前回と一緒なんですが、ちゃんと彼女の心情に踏み込もうとしているので、堀北真希の演技を引き出す役に立っている点で評価できる。増えてきた人間関係を活かそうとしている点も良し……まさか耀司があそこに逃げこむとは思ってなかったが。

 耀司が必死に隠そうとしていることがあまりに見え見えではあるのですが、そこにちゃんとドラマとして膨らませる要素があるので、まだ今後に期待が持てます。だいたいその秘密にあんまり固執しては、ラヴ・ストーリーとしての軸がぶれるし、その辺は間違いではないと思います。

 ただ、フィクションとしても、今回の引きはないだろー、と叫びそうになりました。そこは残して今後の鍵にしないか? ていうかあれが抜けるといやな人がのさばっていよいよソープドラマ臭が強くならないか?! ……まあ、そういうところまで含めて、私は楽しんでるので問題はありません。世評は別にして。

 それにつけてもお父さんが平田満……こないだ『まぼろしの邪馬台国』で見たばっかりなんだが……ごにょごにょ。

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