連勝からの三連敗。開司の耳に仕掛けられた凶器は着実に進行していく。利根川に翻弄されているかに見えた開司だが、不利な奴隷側のカードがある段階で彼は初めて10センチという長い距離を賭ける。それは、戦いを有利に運ぶために、利根川に“怖れ”を植え付けることを狙ってのことだった。開司の捨て身の戦略は、意図に嵌った――かに見えたが……
今回、怯えている開司の作画が今までと趣が違っています。しかし、趣が違っているからこそ彼の追い込まれた苦境が味わえる。そもそも人数の多かった限定ジャンケン編や、何だかんだ言ってカメラワークに動きをつけやすかった鉄骨渡り編とは異なり、一対一、しかも密室での戦いなので、何処かで工夫をしなければならない。『アカギ』なら鷲巣さんのぐにゃぐにゃとか切れっぷりで魅せていたところを、このくだりでは開司の表情で魅せているだけの違いです。だからOK。
というわけで今回はひたすら、刻一刻と器官喪失が近づき、まるで己の心を読んでいるかのような利根川の戦いぶりに恐れを為す開司の姿を描いているだけ。『アカギ』にしてもこれにしても、よくもまーこんな調子で2クールも続けるよなー。
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